Category: 設計システム
NAPA Release 2023.2
2023年のNAPAリリースの第2弾が公開されました! ソフトウェアのすべての変更点は、NAPAリリースノート2023.2のドキュメントに記載されており、インストールパッケージと共にNAPAnetにて提供しています。 NAPAリリース2023.2のハイライト: 積載状態の作成と管理がより効率的になりました 非損傷時及び損傷時復原性計算に対する多くのユーザーからの改善要望が反映されました 詳細な設計指向の構造設計ツールに向けたツールが実装されました 自動有限要素メッシュ作成ツールがより効率的になりました NAPA Viewerが生産関係者とのコラボレーションを効率化できるようになりました ハイドロ計算と復原性 最新のリリースでは、特に復原性計算関連の定義と検討の効率性を向上させました。 NAPA Designerの積載状態ツールセットには、積載状態の作成と管理を高速化する”積付ルール”の機能が加わりました。”積付ルール”により、複数の積載状態を同時に変更することが可能になり、例えば、複数の状態の積付状態を同時に更新して、積載状態の一貫性を保証することができます。 また、より簡単な操作で定義可能な自由表面計算ルールやレポーティングの機能も新たなツールとして利用可能となりました。 非損傷時と損傷時復原性分析については、いくつかのルールの更新とユーザー様からのご要望の機能を実装しました。新しいリリースでは、例えば、MSC.527(106)に基づく2024年のIPコード要件をサポートしています。決定論の損傷時復原性計算を行うマネージャーアプリケーションが従来NAPAに新規実装され、特に新しいNAPAユーザーが必要とする定義と検討を支援します。 詳細はNAPAリリースノートをご覧ください! 詳細な構造設計 このリリースでは、初期設計から詳細設計へ3D設計のワークフローをシームレスに拡張したいという期待に応えるための実用的な改善が数多く提供されています。改良された「Saved Views」は、設計者が焦点を当てたい設計情報に瞬時にアクセスするのに役立ちます。ポリラインツールは、複雑な構造を持つ円弧形状を簡単に表現するために改良されました。 このリリースでは、コーナーノッチの修正機能、スティフナとブラケットのモールド面の調整機能、ブロック単位の描画機能などが実装されました。その他のさまざまなユーザーエクスペリエンスの強化と合わせ、詳細設計がより簡単で効率的に行えるようになりました。 有限要素(FE)メッシュ 新しいリリースでは、詳細な3Dモデルから高品質のFEMへの変換を可能にする革新的な機能が導入され、面倒なメッシュの手直しを最小限に抑えられます。「Collapse Narrow Parts」機能は、プレートの端にある狭い要素を自動的に削除し、「Idealization Exception」ツールを用いれば、不規則に配置された構造を希望通りにメッシュ化できます。さらに、「Combined FE Model」機能により、大規模なFEモデルの複数人での協同作業が可能になりました。 NAPA Viewerの使用 NAPA Viewerは、ウェブベースの3Dコラボレーションツールで、NAPA 3Dモデルに含まれるさまざまな設計情報を効率的に視覚化できます。新たに実装されたブロック単位の描画ツールを用いれば、生産関係者は設計レビュー、建造工程の検討、初期設計段階での設計とのコミュニケーションを効率的に行う事ができます。 お読みいただきありがとうございました!
Read Article1月 29, 2024
KYMA社: 3Dモデルが引き起こすヨットデザインの革新
ヨットデザインの世界は、常に革新が求められています。進化する顧客の要求は、船舶設計者や構造エンジニアに対して、創造性の限界を押し広げるように促しながら、安全性とスムーズで効率的な設計プロセスを確保することを求めています。ここでは、NAPAツールを使用して、KYMA社が最新の3D船舶設計を活用し、どのようにこの難題を好機として取り組んだかについてお伝えします。
Read Article1月 28, 2024
代替燃料の未来をモデル化するには
あなたの船が将来どのような代替燃料を使用するのか知りたいですか?あなただけではありません。新しいエネルギー源が世界の船舶に登場するにつれて、船舶業界は確実性を求めています。しかし、占いに頼る必要はありません – 代わりに、シミュレーションツールを使用することで、新しい船の設計、運用、コストについて何を期待するべきかを明らかにすることができます。試す準備はできていますか?ここではその方法を説明します。 船舶業界の代替燃料と革新的な船舶設計への関心は否定できません。現在、代替燃料を使用できる船舶は、世界の船のごく一部 – 総トン数で約6.52% – を占めていますが、その数は急速に増えることが予想されます。2023年の世界のオーダーブックの約半分は、メタノール、LPG、LNG、またはバッテリーを含む代替燃料または動力システムを使用する船舶のためのものでした。これは、前年の3分の1に比べて増加しています(DNVの分析による)。 この代替燃料への需要の増加は、大部分が単純な計算によるものです:エネルギー効率の良い船舶を持つことは商業的に利益をもたらします。すでに、現代のエネルギー効率の良い船舶は、古い船舶よりも優れたチャーター料金を得る傾向があり、プレミアムは1日あたり数千ドルに達し、特定の船舶タイプではさらに高くなります。 ビジネスケースは、燃料効率だけでなく、大幅な温室効果ガス排出削減を目指すことで、今後も成長を続けるでしょう。最近、欧州域内排出量取引制度(EU ETS)が船舶に拡大されたことで、船舶は現在、その船舶自体のCO2排出量に対して金銭的負担が求められており、炭素に直接的な価格を設定しています。これには、IMOのCII規制が追加され、これは船舶の競争力とビジネスの見通しをその運用効率に結びつけることを目指しています。今後、評価の低い船舶はビジネスや資金調達を確保するのに苦労する可能性がありますが、トップ評価の船舶は競争優位を持つ可能性があります。 リスクと機会のバランス その結果、代替燃料の使用を先駆けて行う船舶所有者には、大きな潜在的な利益があります。しかし、この戦略はリスクを伴います。新しい燃料への移行は、船舶の安全性、復原性、構成に大きな影響を及ぼし、新しい貯蔵タンクの統合を必要とします。これにより、貨物容量が減少し、したがって商業的な利益性に影響を与える可能性があります。それを正しく行うことは重要ですが、どのようにすればよいのでしょうか? 答えの一部は、私たちが既に手元にあるツールをどのように使用し、組み合わせるかについて創造的に考えることにあります。ここでは、運航シミュレーション機能と3Dツールを船舶設計に一緒に使用することで、多くの洞察を得ることができます。 運航データが船舶設計に新たな洞察をもたらす方法 これはすでに現実のものであり、船舶設計者や技術者は、運航シミュレーションモデルを使用して、未来の船舶が航行するルートの天候や海の状況の範囲について詳細な画像を得ることができます。 この分析は、風速と風向、波高とうねり、および流速と流向に関する過去のデータによって支えられています。そこから、NAPA Designerで作成された3Dモデルを使用して、直接強度分析と荷重評価を行うことができ、未来の船体へのストレスを現実的な方法でシミュレーションを行い、それに応じて設計を調整するのに役立ちます。 このデータ駆動型の天候と海洋状況の画像は、特定の船舶に対して風力推進システムが実際に達成可能な排出削減をシミュレートするためにも使用できます。これにより、船舶所有者は、これらのシステムへの投資を行う前に、より確実性を得ることができます。 多燃料時代に入るにつれて、運航シミュレーションは、未来の船舶が航行する速度の範囲や未来の燃料消費量についての貴重な洞察をもたらすこともできます。これにより、必要なエンジンの最適な出力を決定するだけでなく、船舶に必要な燃料タンクのサイズ決定にも役立ちます。アンモニア、水素、メタノールなどの未来の燃料は、化石燃料に比べてエネルギー密度が低いため、この評価を正しく行うことは、貨物スペースの損失を最小限に抑えるために重要です。 最善の決定を下すためのオプションの比較 運航シミュレーションから得られた洞察とデジタルツインを組み合わせることで、様々な設計バリエーションをテストし、それらが現実の世界でどのように動作するかのモデル化が可能になります。例えば、3Dモデルを使用して、代替燃料を使用する船舶の色々な構成を比較し、船舶の未来の性能、燃料消費、GHG排出、復原性パラメータ、および流体力学的プロファイルに及ぼす影響を計算することができます。 このような形状やプロファイルを簡単にテストする能力は、船舶設計者や技術者が、新しいシステム(例えばバッテリーや追加のタンク)を船舶のどこに設置すべきかを評価することに役立ちます。これには、必要な総容量だけでなく、安全を確保するためにそれらを設置する必要がある場所も考慮に入れます。 これらのシミュレーションは、初期設計段階から行うことができ、設計が進行し詳細が確定するにつれて結果の精度は向上します。具体的には、チームはプロセス全体で異なるオプションを試すことができ、設計が初期段階から構造的で詳細な段階に進むにつれて行わなければならない複数の決定をサポートします。言い換えれば、シミュレーションツールは「推測作業」を排除し、データと証拠に基づいた決定を後押しします。 排出量とコストの見積もり – 数百万ドルの問題 船舶所有者にとって、これは重要です。なぜなら、彼らは初期設計段階から、LNGやメタノールなどの異なる燃料オプションが現実の世界でどのように見えるか、またそれらが貨物容量と予測される燃料消費にどのような影響を及ぼすかについて、より良い理解を得ることができるからです。船舶の設計が形になるにつれて、シミュレーションツールはその未来のGHG排出量をモデル化し、これが環境規制の遵守にどのように影響するかを示すことができます。 最終的には、これらの推定排出量を使用して、燃料自体の購入と異なる燃料オプションの排出許可の関連コストを予測することが目指されます。シミュレーションは、例えばEU ETSの下で設計がコスト競争力を持つようになるタイミングを示すことができ、これは大きな商業的価値をもたらし、新しい燃料と船舶設計の選択を最初から助けることになります。 私たちは未来を予測することはできませんが、データに基づいてそれをモデル化することはできます – 革新的な船舶設計のために、それはすでに大きな変化をもたらしています。
Read Article1月 26, 2024
HD現代重工業、NAPA、CADMATICがデジタル・シップヤードの開発に向け協働
世界最大級の造船所と海事業界を牽引するソフトウェア・プロバイダーの協働により、船舶の設計・建造のプロセスのデジタル化・合理化が進み、海運の脱炭素化への移行支援に必要とされる技術革新が、今後より迅速に実施できるようになります。 2024年1月17日、ウルサン、ヘルシンキ、トゥルク – 世界最大の造船所であるHD現代重工業は、造船業界のデジタル化に向けた変革を加速させるため、機能性の高い3D海事設計・エンジニアリング・情報管理ソリューションで業界を牽引するプロバイダーであるNAPAおよびCADMATIC社との共同開発プロジェクト(JDP)を発表いたしました。 当共同プロジェクトは、次世代の船舶設計の開発を促進するもので、製品ライフサイクル管理(PLM)システムも組み込まれています。また当パートナーシップにより、高度な3Dモデルと最新の情報管理技術を活用し、より機能性の高い船舶設計ソリューションを実現することができます。 これは、HD現代重工業の企業ビジョンでもある「デジタル・シップヤード」の実現を支援するもので、高性能なデータとデジタル・ツインの双方向で、設計の初期段階から建造・生産に至るまでの一連のプロセスの最適化を支援するとともに、さらに海上で運航する船舶の生涯を通じ、貴重な情報源を提供するものです。 今回の新たなパートナーシップでは、デジタル化とシームレスに統合されたソリューションの相乗効果により、大規模かつ複雑な造船プロジェクトにおいても、納期の短縮や、コスト削減、また品質向上など、造船所にとってより高い作業効率の実現を目的としています。当プラットフォームでは、造船所のさまざまな部門での協働をより強化し、船舶の設計・建造プロセスに関わる数百人(もしくは数千人)間の情報アクセシビリティの大幅な向上に役立てられることになります。その目的は、建造プロセスを最適化することで、生産性向上と安全運航を実現し、人的ミスを回避し(より正確な)設計を可能にすることにあります。 また、船舶の設計・建造プロセスをデジタル化・最適化することで、HD現代重工業は、脱炭素化を支える革新的なエネルギー効率設計に対する船主の高い要望に応えるべく、代替燃料や電気推進、風力推進などの新技術を搭載した船舶を含む次世代船舶を提供する能力を強化しています。 今回の合意に基づき、NAPAとCADMATIC社は、造船に係る、初期設計、詳細設計、生産設計、さらに最新の3Dベースの建造コラボレーションや製品ライフサイクル管理(PLM)を含む情報管理など、両社の造船に関する幅広い専門知識を結集していきます。両社のソフトウェア・プロバイダーが持つ技術的強みと、創立51年で300社以上の船主に2,300隻以上の船舶を納入してきた世界最大級の造船所としてのHD現代重工業の事業経験が融合されることになります。 HD現代重工業のSeung-Ho Jeon CTOは、以下のようにコメントしています。 「HD現代重工業は、FOS(Future of Shipyard)ビジョンを通じて、現在、デジタル・シップヤードの構築を推進しています。船舶の設計・建造プロセスにおけるデジタル化の実現は、造船所のデジタル化の重要な分野と見ています。今回の共同プロジェクトを通じて、デジタル・シップヤードの実現に向け、次世代型のより効率的かつ高性能な設計システム開発に大きな期待を寄せています。また次世代型のインテリジェント設計システムの導入は、設計とデジタルツインの情報提供プロセス全体の効率を高め、顧客が求める革新的な設計の提供に役立てられていると見ています。」 また、Jukka Rantala,CADMATIC最高経営責任者(CEO)は以下のように述べています: 「当共同プロジェクトは、デジタル化への時代に突入した造船業にとって重要な指標となります。それぞれの強みと専門分野を組み合わせることで、当協働が、造船業における設計や情報管理ツール等、それぞれの役割を強化でき、高度なデジタル化にシフトすることにより業界の業績を支える大きな機会となります。高機能な統合型設計で船舶のライフサイクルの管理を実施することにより、私たちは造船のプロセスを合理化し、大規模で複雑なプロジェクトにおけるコラボレーションと情報アクセシビリティを強化でき、またビジネスの成功に向けた支援が実行できます。」 また、Mikko Kuosa,NAPA CEOは以下のように締め括っています。: 「新燃料と新技術が船舶設計プロセスにおいて、かつてない複雑さをもたらす中、海運の脱炭素化は造船所にとって多大な変化をもたらしています。こうした状況下、情報共有と関係者間での協働をより促進し、より合理化された作業プロセスを整備することで、より迅速な変革が実現可能となります。その結果として、海上輸送における“NET ZERO”の指標に見合う、次世代船舶を創出することが不可欠となりますが、これを達成するために、造船所、造船に携わる技師やエンジニアに適切なツールを提供することが重要であり、デジタル機能を活用することで、チームがより効率的に作業を行い、新たな技術的領域を共に探求しながらシームレスに協働できる仕組みを構築していかなければなりません。」 – ENDS – 追記 現代重工業(HD現代)について 1972年3月23日、故Chung Juyoung会長によって設立されたHD現代重工業(HHI)は、1974年6月に26万DWT級のVLCC2隻を完成させ、世界最大の造船所として、造船史上に大きな功績を残しました。以後、設立から10年で瞬く間に世界トップの造船所に上り詰め、 その後も世界の造船市場でトップの座に君臨しています。また同社では、造船事業で培った技術力を基盤に、海洋プラント事業やエンジン機械事業への進出など、多角化を進め、50年以上にわたり世界的な総合重工業へと変貌を遂げてまいりました。HD現代重工業は、高効率で環境に配慮した船舶とデジタルソリューションの開発を通じ、日々刻々と変化を遂げる海事市場を牽引し、海事・海洋産業における無限の可能性を解き放しつつ、今後も世界人類の未来を切り拓いてまいります。 CADMATIC社について CADMATIC社は、海洋、電力、プロセス、建設業界向けの高いデジタ技術で高性能な3D設計および情報を管理するソフトウェアソリューションのリーディングデベロッパーです。船舶、産業用プラント、建物の設計、エンジニアリング、建設、運用をより良く、より速く、より簡単にすることで、エンジニアに明るい未来とより良い世界を築く力を与えます。CADMATIC社は、世界60カ国に6000以上の顧客ネットワークを持っています。 www.cadmatic.com NAPAについて NAPAは30年以上の歴史があり、船舶の設計と運航のためのソフトウェアとデータ・サービスを提供するリーディング・カンパニーです。フィンランドに本社を置くNAPAは、造船、船舶の運航、デジタル・サービスの専門知識を兼ね備えた200名のエキスパートを擁しています。NAPAは日本、韓国、中国、シンガポール、米国、ドイツ、ギリシャ、ルーマニア、インドに拠点を構え、グローバルに事業を展開しています。 新造船の90%以上がNAPAの顧客によって建造されており、NAPAの船舶設計ソフトウェアは造船における世界的なデファクトスタンダードとなっています。さらに、NAPAは客船の復原性管理と安全データサービスのマーケットリーダーであり、船舶性能解析と運航最適化のためのクラウドベースのソリューションは、海運の脱炭素化に向けた取り組みを支援しています。 詳しくはこちらのページをご参照ください: www.napa.fi
Read Article1月 18, 2024
NAPA Steel合同基礎トレーニング
■対象 NAPA Steel未経験の方 NAPA Steel既存ユーザーの方で、NAPA Designer/NAPA Draftingによる操作方法を学ばれたい方 NAPA Designer/NAPA Draftingを用いた効果的なNAPA Steelの運用方法を検討されたい方 ■概要 NAPAシステムの基礎からNAPA Steelによるモデリング及びデータ出力基礎の習得を目的としたトレーニングコースです。 NAPA Designerを用いて板部材から骨・ブラケットなどの構造部材のモデリングした後、そのモデルから各種情報の取得やFEMモデルの作成、NAPA Draftingによる図面作成などを行います。 トレーニング4日目は、新しくなったNAPA Steelをより効果的に運用いただくため、各種ライブラリのカスタマイズの説明(一部は概要のみ)やNAPAマクロを用いた簡単なモデリング自動化の紹介を致します。 ■開催日 2024年 冬頃予定(4日間) 1~3日目:9:30~17:00 4日目 :9:30~16:00 (全日程 昼休憩 12:00~13:00) ■内容 【Day 1】 NAPA Steelの概要、NAPA Designerの基本操作、板部材のモデリング 【Day 2】 板部材のモデリング(続き)、構造部材のモデリング 【Day 3】 出力機能基礎 ① (NAPA Draftingによる図面作成、物量出力、ブロック分割) 【Day 4】 出力機能基礎 ②(FEMモデル作成) NAPAマクロを用いたモデリング自動化の基礎 NAPA Steelカスタマイズ基礎(各種ライブラリ等)、Q&A ■習得できる知識・スキル トレーニングを通じて取得できる知識の目標は以下の通りです。 【モデル作成】 初期設計で求められる、承認図・Coarse Mesh・船級ソフト連携に活用できるレベルの3D構造モデルを作成できる […]
Read Article12月 1, 2023
SDARI、BV、NAPAの共同プロジェクトが3Dモデルベース船級承認の利点を検証
2023年11月20日:世界的な試験、検査、認証のリーダーであるBureau Veritas(BV)、上海船舶設計研究院(SDARI)、そして海事ソフトウェアおよびデータサービスのグローバルプロバイダーであるNAPAは、3Dモデルによる船級承認を可能にする共同開発プロジェクト(JDP)の第一段階を完了しました。 プロジェクトでは、設計者が提供した3Dモデルを直接利用し、複数の変換を必要とする従来の2D図面に基づく従来の船級レビューではなく、3Dモデルに基づく承認(3D MBA)の実現可能性が確認されました。この取組みの目的は、設計プロセスの効率を向上させ、時間とコストを節約すると同時に、造船所、船舶設計者やエンジニア、船主、そして船級協会など、設計に関わるすべての関係者間の精度とコミュニケーションを向上させることです。
Read Article11月 22, 2023
3D船級承認などで設計効率化 NAPA、船舶複雑化でデジタル活用不可欠に
日本・東京ー2023年10月5日 –海事プレス(ニュース ー 造船・船用)にて掲載された通り、NAPAのCEOのMikko Kuosaは弊社 代表取締役 水谷直樹とともに設計プロセスの効率化について、都内で会見を行いました。ぜひご覧ください。 船舶設計や運航システムを手掛けるフィンランドのNAPA社のミッコ・クオサCEOは、造船業が直面する課題として船舶設計の複雑化などを挙げ、「設計プロセスを効率化するツールを提供することで対応していく」と語る。設計効率化の一例として、船級協会による設計承認のプロセスを3Dモデルで行えるようNAPAが日本海事協会(NK)など各船級協会と開発を進めていることを紹介。これにより「設計プロセスが大幅に効率化する」と説明した。 3日に都内で開催した会見で、造船向け設計ソリューションの現状などについて説明した。 NAPAの3D設計システム「NAPA Designer」や「NAPA Steel」は船舶の構造設計や基本設計など設計の上流段階で幅広く使われており、新造船の95%がNAPAのシステムを設計で活用しているという。 設計効率化へ取り組んでいる一例が、船級協会の図面承認の3D化だ。船舶の設計がルールなどを満たしているかを確認するための船級協会の審査は現在、2次元(平面)の設計図面をもとに行われており、造船所が3Dで設計作業を行ってもいったん審査用に図面に転換する必要がある。3D設計が一般化する中、3Dモデルでの承認作業への転換が期待されているが、NAPAは設計と船級承認のデータ連携などに取り組んでいる。 また、船舶の実海域性能を設計段階から考慮することが重要性を増しているが、NAPAは性能シミュレーションなどの運航解析ツールも展開しているため、これを設計段階から組み入れることで、実海域でどのように船舶が性能を発揮するかを検討しながら設計することが可能になるとした。 船舶の複雑化と造船所の設計人員不足などが業界の課題となっているが、水谷直樹NAPAジャパン社長は「最近、特に構造設計の分野などでNAPAの導入・活用が以前に増して急速に広がっている。フロントローディング化が期待されており、設計の初期段階で課題をつぶして全体の工数を下げてクオリティも上げていかないと、対応できないとの意識になってきた」と説明。また、造船所によるコンサルの活用や、海運会社など複数企業と連携する例が増えていることについても「NAPAは95%の新造船の上流設計で利用されている『コモンツール』。同じツールを利用することでコラボレーションもしやすくなる」とNAPAが果たす役割を強調した。 *海事プレスから転載の許可を得ています。 海事プレス プレスリリース:https://www.kaijipress.com/news/shipbuilding/2023/10/178886/ PDF:<造船DX>3D船級承認などで設計効率化NAPA、船舶複雑化でデジタル活用不可欠に | 造船・舶用 | ニュース | 海事プレスONLINE(Kaijipress.com) 海事プレスURL :https://www.kaijipress.com/ 関連記事 NAPAとClassNK、3D船舶設計承認プロセスを支援する新しいデータ連携機能をリリース 本件に関するお問い合わせ先:
Read Article10月 6, 2023
NAPA User Seminar Japan 2023
定員に達しましたため、お申込みを締切りました。 ありがとうございました。 拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別なるお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 下記のとおり、「NAPA User Seminar Japan 2023」を開催いたします。 今回のセミナーテーマは「Re-inventing Ship Design Together(共に船舶設計を再創造する)」です。船舶設計の新たな時代に向け一歩踏み出す勇気を持ち、歴史的な転換点に立ち向かうことの重要性を皆さまと一緒に考える機会となればとの気持ちを込めて、このテーマと致しました。 現代は不確実性(VUCA)の時代とも言われます。GX(Green Transformation)やDX(Digital Transformation)など考えるべきことが多様化し、かつ複雑化する中で、それぞれの立場(担当者、管理職、経営者)において課題を自分事として捉え、そして何に取り組むべきかを考えることが重要です。このセミナーを通じて、NAPAという共通の言語を持つ仲間(NAPA Family)が共に議論し、アイディアや知識を交換し、互いに学び合い、未来への一歩を共に踏み出していく機会となれば幸いです。 本年は4年ぶりの対面での開催の運びとなりました。NAPA Family、仲間との交流も是非お楽しみ頂ければと思います。 ご多忙中とは存じますが、船舶設計の未来に向けて共に学び、考え、進化していく場として、是非本セミナーにご参加いただければ幸いです。 敬具 日時 2023年10月10日 (水) 10:30 ~ 17:00(受付開始:10:00) 2023年10月11日 (木) 10:00 ~ 17:00(受付開始: 9:30) ※10日の 18:30から懇親会(無料)を予定しております。 プログラム詳細はこちらをご覧ください。 場所 スペースアルファ三宮 三宮センタープラザ6F(神⼾市・三宮駅徒歩5分) 対象 設計用NAPA ユーザー、またはNAPA製品に興味をお持ちの方 ※同業他社様・個人のお客様からのお申込みはご遠慮頂いております 定員 100名(先着順、定員締切) ※定員に達しましたので、申込みを締め切りました。 参加費 無料 お問合せ先 E-mail:Customer.Service@napa.fi Tel: 078-325-2160
Read Article8月 25, 2023
航路最適化で風力推進を次のレベルへ
NAPA、Norsepower、住友重機械マリンエンジニアリングの共同シミュレーション・プロジェクトは、風力推進装置と航路最適化システムを組み合わせることでどれだけCO2が削減できるかといった効果検証を行いました。これまでの結果は非常に素晴らしく、この技術によって平均28%の排気ガス削減が可能であることが確認されました。プロジェクトのフェーズ2では、より精緻なシュミレーションが可能になるだけでなく、船舶設計プロセスにおける運航データの利活用を促進し、よりスマートで環境に優しい船舶の設計プロセスの構築を目指しています。 本取組は、昨今の海運業界の脱炭素化の流れにさまざまな良い影響をもたらします。規制が厳格化され、新たなソリューションが市場に投入される中、海運業界全体が協力することでこうした変化にスムーズに対応することができ、船の設計から運航までのライフサイクル全体において、重要な意思決定を行うための、より信頼性の高い判断材料を提供することができました。 こうした先進的な取り組みを推進する姿勢は、Norsepower社と住友重機械マリンエンジニアリング社(以下、SHI-ME社)との共同研究の基盤となっています。風力推進と航路最適化を組み合わせることで、どの程度排出削減が達成できるのでしょうか?プロジェクトのフェーズ1では貴重な答えが得られました。フェーズ2では、同様に重要なトピックに目を向けています。 第1段階:より明確にするための協力 2022年12月から2023年3月にかけて実施された共同シミュレーション・プロジェクトのフェーズ1では、SHI-ME社のタンカーを対象に、Norsepower Rotor SailTMとNAPA Voyage Optimizationの組み合わせによる燃料消費量削減とCO2量削減の可能性を検証しました。 NAPAが開発したデジタル・ツインにより、Norsepower社およびSHI-ME社から提供された本船とローターセイルのスペック情報と2022年の海気象データを用いて、特定の海域におけるタンカーの航海性能をシミュレーションしました。本船が航行する6航路の結果を見ると、NAPA Voyage OptimizationとNorsepower Rotor SailsTMを併用した場合、平均19%のCO2削減が認められ、NAPA Voyage Optimization単独では約10%のCO2排出量削減に貢献しました。 最も興味深い結果は、ニューヨークとアムステルダムを結ぶ大西洋航路で、Norsepower Rotor SailsTMとNAPAのVoyage Optimizationの組み合わせにより、平均28%のCO2排出量削減を実現しました。また、NAPA Voyage Optimizationの単独では12%のCO2削減に貢献しました。シンガポール-アンゴラ間の航路では、風力推進装置と航路最適化システムとの相乗効果では、排出量を17%削減し、航路最適化が11%貢献しました。 船主や運航会社にとって、この共同研究はとても意義のあるもので、海運業界が脱炭素化のプレッシャーにさらされている今、風力推進技術に投資するビジネスケースをより強化するものになります。風力推進と航路最適化が、今日の海運業界の脱炭素化に不可欠な柱であることはすでに分かっていました。しかし、この研究がもたらしたのは、特定の航路で2つの技術がどのような結果をもたらすかについての正確で詳細なデータです。海運業界にとって、これは自信を持って前進するために必要な重要な洞察と保証を提供するものです。 第2段階:設計と運営のリンク強化 シミュレーションから得られた知見をもとに、設計段階で船舶の性能を予測し、さまざまな海象や気象条件にどのように対応できるかを検証する方法も模索しています。フェーズ1の分析では、最も有利な風条件に遭遇するためには大幅な航路変更が必要であることが示され、プロジェクトのフェーズ2ではこの共同研究がさらに進められることになりました。2023年5月に開始されたこのフェーズ2では、より幅広い船舶の反応と気象条件のデータを開発することで、Norsepower Rotor SailsTMで設計された船舶の性能をさらに高める方法を探っています。 例えば、このプロジェクトでは、船体の横方向の力や動きについてのより高度な分析を行い、運航性能を向上させるための新たな最適化戦略を開発します。通常、船舶は「固定された」設計条件に基づいて設計され、穏やかな海況にシーマージン(天候による予想される平均的な性能損失)を加えたものとなっています。しかし、風力アシスト船の設計は、運航されることになるより強い風条件に適応させる必要があります。したがって、次のステップは、風、波、潮流などの「動的」条件を使用した仮想航海シミュレーションを組み込んで、実際の条件下で期待される船舶の性能を評価することです。さらに、SHI-ME社の船舶設計プロセスでは、すでに多くの船舶設計で使用されている従来の静的波浪計算に加えて、悪天候時の船舶の復原性をより考慮することになります。これには、NAPAから入手したビッグデータを船舶設計プロセスで扱う方法を開発することが含まれます。 NAPAにとって、このプロジェクトは設計プロセスの理解を広げ、航海最適化モデルの洗練度と精度を高めることになります。フェーズ1では、気象ルーティングが明らかに風力推進の画期的な変化になり得ることが明らかになりました。私たちのモデルが船舶設計プロセスに情報を提供するために使用されれば、その価値をさらに高める可能性があると考えています。 私たちのデジタル・ソリューションは、海事分野のあらゆるステークホルダーとの協力関係を強化することを可能にしています。フェーズ2は、船舶運航と船舶設計の間で継続的にフィードバックを行う事で、それをさらに実証することになります。船主にとって、これは単に燃料の節約や炭素原単位指標(CII)規制の格付け向上以上の意味を持ちます。また、新造船の運航性能が向上し、EEDI(エネルギー効率設計指数)などの規制への適合が容易になることも意味します。また、性能が向上すれば、港湾使用料の減免など、さまざまなインセンティブ制度が利用できるようになり、将来的に炭素税が施行された際には、大幅な節約をもたらすことになります。 NAPAの運航シミュレーション技術と、Norsepower社およびSHI-ME社の技術的専門知識を活用したこの共同研究は、すでに設計段階の早い段階で、商業上および運航上の意思決定に重要な知見と確信を与えています。私たちは、このプロジェクトのフェーズ2が、脱炭素化をさらに大きく前進させ、既存の技術を最大限に活用するための船舶の設計・運航方法を業界が改革し、そのビジネスにとって理にかなった方法で、地球にとって必要な変化を実現する手助けになると確信しています。 この共同研究は、私たちが力を合わせ、多様な専門知識を結集することで、関係者全員に良い結果をもたらし、業界全体に付加価値を生み出すことができることを実証するものです。SHI-ME社とNorsepower社とのパートナーシップにおいて、私たちは船舶の設計と運航、ローターセイル技術、ソフトウェアとデータサイエンスにおけるそれぞれの経験を組み合わせました。これは、コラボレーションによって実現できることのほんの一例にすぎません。NAPAでは、船舶の設計、安全、運航の間の点と点を結ぶユニークな立場にあり、同時にITとデータサイエンスの専門知識も持ち合わせています。NAPAは、その専門知識をフルに活用することで、持続可能な海運を支援するこのようなプロジェクトをさらに実現し、人、アイデア、技術を結びつけることでパートナーとともに革新していきます。 本件に関するお問合せ先:
Read Article8月 4, 2023
未来の環境対応船舶のための高効率設計を共に
NAPA User Meeting 2023は、船舶設計関係者が一堂に会し専門知識と実践的な経験を共有することで、プロセスをより効率化し、めまぐるしい技術革新の時代に対応できることを示しました。海運分野が急速な変化に対応し、エネルギー転換においてその役割を十分に果たすためには、このような協調精神が不可欠です。 また来年の NAPA User Meeting 2024でお会いできることを楽しみにしております!
Read Article7月 14, 2023