Category: 運航支援システム
NAPA、ClassNK、丸紅の共同研究 船舶のCO2 排出量削減と燃費実績格付CII 向上について ~NAPA 航海最適化ソリューション活⽤~
NAPA Ltd.(以下「NAPA」)、⼀般財団法⼈⽇本海事協会(以下「ClassNK」)は、丸紅株式会社(以下「丸紅」)と共に共同研究を実施し、航海最適化ソリューションの活⽤により燃料消費量とCO2 排出量が最⼤で7.3%削減、CII 格付けを2〜3 年間⻑く維持しうることが分かりました。 本共同研究では、海事産業におけるソフトウェア・データ解析会社であるNAPA が提供するFleet Intelligence の船舶実海域性能モデルを利⽤した⾼精度の航海シミュレーション機能により、丸紅が保有運航するばら積船の2021 年の全航海データ、気象海象データから、航海最適化アプローチによる燃料消費量、CO2 排出量、燃費実績格付CII の改善効果を算出いたしました。また、丸紅が保有するばら積船4 隻に搭載し、実海域での改善効果を実証研究いたしました。ClassNK はシミュレーションにおける助⾔、算出値の検証・確認を⾏い、丸紅は実証実験の船舶の提供、運⽤⾯の評価・助⾔を提供しました。 CII 規制は、船舶の燃費実績を毎年評価・格付ける制度で、継続的な省エネ運航を促進させるため、CO2 排出量削減基準が毎年厳しくなるように設定されており、⼀定の評価を下回った船に改善計画の提出が必要となります。 NAPA 航海最適化ソリューション活⽤によるCII 値の改善効果が5~6%で、これによりCII 格付けの1 ランク上昇、或いは2〜3 年⻑く同⼀のCII 格付けを維持できることが期待できます。 NAPA 航海最適化ソリューションの導⼊には追加設置⼯事を必要しないため、CII 格付の維持・改善に向けた導⼊が容易な選択肢の⼀つとなり、今後の海運業界のCO2排出量削減に寄与することが期待できます。 燃費実績格付CII 改善推移イメージ図 点線:NAPA 運航最適化ソリューション採⽤時 実線:⾮採⽤時 CII 格付けはA〜E の5 段階で分類され、A が最も良い格付け。 本共同研究により、運航最適化アプローチにより、燃料消費量・CO2 排出量削減、CII 格付け改善が期待できることが分かりましたが、今後三社は運航最適化アプローチの普及に伴う海運業界の脱炭素・低炭素への寄与を⽬指します。 NAPA 概要 船舶の設計と運航の両⽅において、安全性・効率性・⽣産性に関するデータ主導のソリューションを提供する30 年の経験と実績を持つIT ソフトウェアプロバイダー。本社はフィンランドにあり、ヨーロッパ・アジア・アメリカに拠点をもつグローバル企業で、約 190 名が働いている。NAPA のソフトウェアは現在、全世界で420 以上の機関に採⽤、3,000 隻以上の船に搭載されており、海事産業におけるソフトウェア、サービス、データ解析のグローバルリーダーへと成⻑を続けている。 […]
Read Article2月 14, 2023
個船毎に代替燃料切替における安全性を予測するには?
代替燃料への切替準備には、新たなシステムの導入やエネルギー供給ラインの確保だけでなく、これらの新しいシステムが船舶設計や運航安全性、航海計画など他の側面にどのような影響を及ぼすかを理解することも必要です。NAPAのソリューションは、これらの複合的な要素をシミュレーションすることで不確実性を取り除き、お客様の本船管理をサポートし、代替燃料に対応したスムーズな体制構築を支援します。 本件に関するお問い合わせ先:
Read Article1月 25, 2023
NAPA、国際ウィンドシップ協会(IWSA)に加盟
NAPAは国際ウインドシップ協会(IWSA)の準会員となりました。これからも海運の脱炭素化を支援する取り組みを推進していきます。 IWSAの使命は、商船における風力推進装置の搭載を促進し、燃料消費量の削減と気候変動に関連するCO2排出量の低下を図ることです。NAPAは準会員として、船主の脱炭素取組に積極的に協力する本団体に加わることになりました。 国際ウィンドシップ協会の事務局長であるGavin Allwright氏は、以下のように述べています。「今回NAPA社をIWSAのメンバーとして迎えることができ、大変うれしく思います。NAPA社が行っている活動は、この分野の発展に重要な貢献をしており、今後さらに発展するものと期待しています。NAPA のチームがもたらす知識と経験は、当協会にとって非常に貴重なものとなるでしょう。風力推進が、業界をリードする脱炭素・ゼロエミッションのソリューションとして、その可能性を最大限に発揮できるよう、共に取り組んでいきたいと思います。」 航海の最適化で風力発電の効果を最大化 NAPAはすでに、風力推進装置のプロバイダーであるNorsepower 社(IWSA会員企業)との間で、風力推進装置の効果を最大限に活かすための協業を行っています。昨年締結した契約により、NAPA 運航最適化システムVoyage Optimizationが、Norsepower社のローターセイル・ソリューションの全販売にオプションとして選択することができます。 NAPA Voyage Optimizationは、燃料消費量とCO2排出量を最小限に抑える最適な航路を選択するための気象航路作成ソフトウェアです。気象、海流、風力発電などの船舶の設計を考慮し、船舶固有の本船パフォーマンスモデルを構築します。これらのモデルを用いて、様々な条件下での船の性能を評価・予測し、最適な航路を選択することができます。 NAPAのShipping Solutions担当Executive Vice PresidentであるPekka Pakkanenは以下のように述べています。 「航海最適化と風力推進の組み合わせは、どちらか一方の技術だけと比較して、性能向上の大きな可能性をもたらします。風力推進技術とNAPA Voyage Optimizationの組み合わせにより、燃料消費量とCO2排出量を最大で24%削減できることが調査で明らかになっています。」 モデリングとシミュレーションの機能 NAPA は、船主が風力推進装置の導入を検討する際の意思決定も支援しています。風力推進装置の導入はは、船舶の復原性、構造強度、積荷管理などに影響を与える可能性があります。NAPAの高精度なデータ解析技術とモデリング機能により、風力推進装置における各ファクターへの影響を事前にシミュレーションすることができます。 「最近、ノルウェー・パワー社と共同で、ローターセイルを本船に導入した場合の影響を船主がモデル化できるようサポートしました。当社の設計ツールを使えば、船の安全性や安定性に与える影響をモデル化し、そのシステムが船に適しているかどうかを確認することができます。そして、NAPA Stabilityによって、安全性を確保するための日々の運航計画をサポートすることができるのです。」とPakkanenは述べています。 NAPA Fleet Intelligenceのようなプラットフォームは、本船固有のパフォーマンスモデルを元に、航海ごとの燃料消費量などさまざまな運航要因のベンチマーク、本船性能分析、進捗管理を支援します。これにより、船隊管理者は、エネルギー効率化対策の真の効果をより明確に把握することができます。 IWSAの目標は、船主や運航会社が、IMOの燃費実績の格付け制度(Carbon Intensity Indicator:CII)、ポセイドン原則、海上貨物輸送約款などの業界全体の検討事項を考慮しながら、各自の具体的目標を設定し達成できるようにすることです。IWSAの一員として、NAPAは気候変動対策をより加速すべく支援していきます。
Read Article1月 23, 2023
NAPAウェビナー : CII対応策に関する動画配信のお知らせ
先日開催されたCII – Carbon Intensity Indicator の対応策に関する ウェビナーの動画を公開しました。 船舶のCII評価をどのようにフォローアップし、管理すればよいのでしょうか。 ウェビナーでは、NAPAの専門家が以下の点について解説しています。 CII格付けに有効とされる各対策がどういった影響を及ぼすかに関するNAPAの検証結果 NAPA Fleet Intelligenceで船舶のCII評価をフォローアップし管理するための実践的なヒント NAPA Voyage Optimizationを活用し、安全運航と燃費向上を両立するための航路の選択方法 詳細にご興味のある方は、下記フォームに必要事項ご記入・お申込いただければ簡単にご視聴いただけます。ぜひご活用下さい。 By submitting the form, I consent my information to be used according to NAPA’s privacy policy. NAPA Webinar: Practical tips for managing CII
Read Article1月 20, 2023
NAPA、ShipDC 主催の内航船デジタルセミナーに登壇予定
2023年2月7日(火)に「内航船デジタルセミナー~内航デジタルの先進的取り組みと外航デジタルの活用可能性を検討~」にて、NAPAが運航アプリケーションを使ったデータ活用について講演を行います。 参加には事前申し込みが必要で、当日は現地開催とオンラインのハイブリッド形式です。詳しくは下記リンクをご確認ください。 弊社プレゼンテーション 日時:同日 15:05-15:30 <第3部> データ活用の具体例(外航での個々の取り組み) 講演概要:運航アプリケーションを使ったデータ活用についてご紹介します。 皆様のご参加を社員一同、心よりお待ち申し上げます。 本件に関するお問い合わせ先 : 弊社公式SNS(Linked in、Facebook)でも紹介される予定ですので、ぜひご覧ください。
Read Article1月 10, 2023
安全性を支えるデータ:商船三井800隻、NAPAのソリューションでリスク監視を強化
世界最大級の海運会社が、NAPA Fleet Intelligenceを使用してどのように航海リスクの監視と軽減を図っているかご紹介します。 このたび、株式会社商船三井(以下、商船三井)のスマートシッピング事業本部長の鈴木 武尊氏にNAPAとのコラボレーションにより、800隻を超える同社船舶の座礁リスクを軽減する方法についてお話を伺いました。 商船三井とNAPAは、船舶の状況をリアルタイムで監視するシステム※を共同開発しました。座礁の危険性を事前に予測し、陸側チームに警告を発することで、航行中の危険に対する状況認識を高め、商船三井の船隊全体の安全性を向上させることを目的としています。 NAPA Fleet Intelligenceは、商船三井の安全運航支援センター(以下、SOSC)に所属するチームに対し、所有船および傭船が直面する航行上の潜在的なリスクを24時間365日体制で警告するものです。また、アラート発生時に何かしらの必要が判断した場合には、SOSCが当該マスターに直接コンタクトを取り、リスクの周知と支援を行います。 オーダーメイドソリューション この新しいソリューション※は、NAPAのクラウドベースのモニタリングプラットフォーム「NAPA Fleet Intelligence」をベースとしており、船上でのハードウェアの設置や乗組員の入力は一切不要です。位置データ、船舶データ、水深、海図など複数のデータとNAPAの解析データを組み合わせることで、堅牢で信頼性が高く、使いやすいプラットフォームを提供し、座礁リスクを軽減します。 このソリューションは、商船三井の具体的なニーズに合わせてカスタマイズされたものです。鈴木 武尊氏「NAPAを選んだ理由は、私たちの質問や要求に対して、常にタイムリーに対応してくれたからです。さらにNAPAは私たちの要件を非常にうまく定義してくれました。」 また、自社船だけではなく短期傭船の場合も考慮すると、これらすべての船に何かしら新しい機器を搭載することはほぼ不可能でした。鈴木 武尊氏「この点でNAPAのアイデアは素晴らしかったです。自社船、傭船に関係なく、AISデータのような全船舶に使えるデータを使うことは非常に良い着眼点であり、我々の状況をよく理解してくれていると感じました」と鈴木氏は語りました。 直感的に使えるプラットフォーム 商船三井情報システム部長の壬生 由香子氏は、商船三井の情報通信技術(ICT)戦略の立案に携わり、「航海リスク監視システムの導入に大きく貢献しました。NAPAのプラットフォームは直感的に操作でき、ユーザーにとって習得しやすい。」と強調しました。 「NAPAは、私たちの要求が変化していく中で、機敏かつ迅速に対応してくれます。しかも、単に要求に応えるだけでなく、積極的に解決策を提案してくれる。」と壬生氏は語ります。 今後に向けて 鈴木氏は、商船三井のスマートシッピング部門の一員として、船舶運航の安全性向上と船員の業務負担軽減をミッションに掲げています。 「今回の成功を受けて、商船三井はNAPAとの協業を拡大することを検討しています。海運業界は、ワークフローの改善、新しいビジネスモデルの構築、旧来システムの脱却、企業文化の変革など、大きなデジタル変革期を迎えています。 」と鈴木は語りました。 「私たちには130年以上の長い歴史があります。進化する社会のニーズに合わせて変化・発展することで、弾力性を保ち続けます」とも述べています。 NAPA は両社の協力関係をさらに強化することを楽しみにしています。
Read Article11月 29, 2022
NAPA、ノースパワー社製円筒帆の効果検証結果を発表
海事プレスオンラインに掲載された通り、NAPAは船舶向け風力推進システムの開発を行うフィンランドのノースパワー社と研究提携を行い、ノースパワーのローター式円筒帆「ローターセール」とNAPAの運航最適化ソリューション「Voyage Optimization」を併用することで、最大24%の燃料消費量削減効果が実証されたと発表しました。 詳細は本記事をご覧ください。 ノースパワー、円筒帆とNAPAシステム併用の効果実証 | 造船・舶用 | ニュース | 海事プレスONLINE (kaijipress.com) 掲載サイト:海事プレスオンライン また、東京大学主催の海事デジタルエンジニアリング(MODE)の社会連携講座においても、NAPAの運航支援システムFleet Intelligenceをベースとした解析手法を用いた風力アシスト船の設計評価(環境性・経済性)のシュミレーション事例が紹介されました。詳細は下記リンクからご確認いただけます。 MODE記念シンポジウムにNAPA登壇 – NAPA 本件に関するお問い合わせ先:
Read Article10月 21, 2022
本船の運航状況の把握と座礁防止の対応策
座礁は最も頻繁に起こる船舶事故の一つであり、人や環境に大きな影響を与える可能性があります。最新のデジタル技術は、このような事故の防止に役立つものであり、NAPAは、運航パターンを利用して船舶の座礁リスクを検出するシステムを開発しました。この研究の重要な結論は、先日ポーランドのグダニスクで開催された最新の国際船舶復原性ワークショップ(ISSW2022)で発表されました。 現在、航海の安全性は主に乗組員の経験値を頼りにしていますが、私たちのシステムは、デジタル技術の助けを借りて乗組員の意思決定をサポートし、より安全性の高い航海を実現します。このシステムの目的は、乗組員と陸上支援スタッフの双方に、座礁のリスクを減らすための航行安全監視を系統的に自動化したツールを提供することです。これにより、ECDISの安全領域が正しく設定されていないことによるヒューマンエラーや、視界不良、または水域制限下における交通量の多さによって、気付かないうちに危険な状態に陥るリスクを最大限抑えることができます。 シンプルで効果的なアルゴリズム 約400隻の船舶のAISデータを数ヶ月にわたって分析した結果、船舶は約8割の時間、制限のない海域を航行していることがわかりました。今回のターゲットとして、残りの時間船が岸に近く水深の浅い海域にいる、あるいは交通規制のある海域で航行している船を対象に分析を行いました。 「典型的な航路」のコンセプトデザイン – 周りに障害のない航路のセンターラインを定義し、そこにAISデータで船舶が通常航行する範囲として左右両側に若干の安全域を加えることで、航路を水深データとは独立したものとして定義しました。加えて、難破船、ブイ、移動する砂州などの危険物に関する地理空間情報からも独立していており、その場所での過去の船舶航行に関するAISデータを使用することで考慮されています。 こうしたシンプルなコンセプトデザインを定義することで、大規模な船団を管理するオペレーターにとっても、リアルタイムでグローバルに運用するための実用的なソリューションとなります。また、新たな設備を導入する必要がないため、短期傭船を管理するオペレーターにも適しています。 このシステムは、乗組員に余分な作業負荷を与えず、特定の船舶サイズ、喫水、タイプに合わせてカスタマイズに調整することができます。 妥当性検証 このシステムを成功させるためには、誤報を少なく確実にリスクを特定する必要があります。私たちは過去の事故データを用いてPoCを行い、その信頼性を検証しました。その一つが、今年3月にチェサピーク湾で発生したボルチモア港からバージニア州ノーフォーク港へ向かう12,000TEUのEver Forward号の座礁事故です。座礁したのは、私たちが計算した典型的な航路のかなり外側で、その喫水の船にとっては狭い航路でした。 もう一つの例は、2020年にインドネシアのバタム島沖で起きた5,500TEUの小型コンテナ船「Tina1」の座礁事故です。同船はまず、先に座礁した船に衝突するまでの20分間、典型的な航路の外側に3つのAIS位置を登録しました。 これらのケースは、接地リスクが高まることが明らかになった後、典型的な航路の外側、制限された水路内で接地が発生するという、よくあるシナリオを示しています。 私たちのシステムは、どちらのケースでもリスクを正しく検知しました。 多角的なアプローチ リスク検出の閾値として運用データを使用することで、エラーの特定やリスクレベルが高いケースを速やかに検知することが可能です。これは大規模な船団を運航する場合に非常に有益であり、陸上モニタリングセンターでの人力によるモニタリング設定と効果的に組み合わせることができます。 このシステムは、最新の実用的なソリューションであると同時に、将来的にはさらに高度で総合的なリスク検知のための基礎的要素になると考えています。水深データ、天気予報、停泊地情報などと組み合わせることで、より幅広いリスクシナリオに対応できるようになるでしょう。 このような取り組みには十分な価値があります。AllianzのSafety and Shipping Review 2022によると、過去10年間の全損の原因トップ3は、転覆(52%)、座礁(18%)、火災・爆発(13%)で、報告された892件の損失の80%以上を占めています。全損に至らない場合でも、人命と貨物の安全に対するリスクは高く、海難救助、離礁、難破船の撤去は複雑で大変な費用がかかる作業となります。 NAPAでは、船舶の運航者や乗組員のリスク管理を支援するシステムの研究を続けています。例えば、前回のブログでは、NAPAが旅客船の運航上の洪水リスクを迅速に評価し、リアルタイムに監視するための革新的な枠組みを開発したことを紹介しました。 私たちは30年以上にわたり、船舶設計、海運、デジタルの専門知識を結集し、船舶運航会社が日々行う重要な意思決定のサポートをしています。 論文全文は後日こちらで公開予定です。http://www.shipstab.org/index.php/conference-workshop-proceedings
Read Article10月 12, 2022
MODE記念シンポジウムにNAPA登壇
東京ー2022年10月4日ー東京大学主催の海事デジタルエンジニアリング(MODE)の社会連携講座が設置されたことを記念し、10月4日にの記念シンポジウムが開催され、NAPA Japan 社長の水谷がパネルディスカッションに登壇しました。 パネルディスカッションでは、「海事エンジニアリングで切り開く未来」をメインテーマに、現在の日本の海事業界全体の動向分析や今後の戦略立案について活発に議論がなされました。 また、講座開設に先行して行われたモデルベース開発の一例として、NAPAの運航支援システムFleet Intelligenceをベースとした解析手法を用いた風力アシスト船の設計評価(環境性・経済性)のシュミレーション事例が紹介されました。 海事プレスに掲載されました。 https://www.kaijipress.com/news/shipbuilding/2022/10/170231/ 掲載サイト:海事プレスオンライン 本件に関するお問い合わせ先:
Read Article10月 7, 2022
データを活用した公正なソリューションで”Sail Fast, then Wait”(速く航走して、沖待ち)を解決し、排出量を削減
Blue Visby プロジェクトは、船主、用船者、港湾が、商業的な機密データを損なうことなく、Sail-Fast-Then-Wait(帆を早く出してから待つ)という航法を排除することで環境パフォーマンスを改善できることを実証しています。 実際、すでに公開されているデータに加え、驚くほど少量の商用データがあればよいのです。最も重要なのは、協力と新しい考え方を取り入れようとする姿勢です。 多くの課題がありますが、NAPAの調査によると、Blue Visbyは、ジャストインタイムの利点の大部分を問題なく発揮し、航海に伴う排出量を約15%削減できることが分かっています。このソリューションを全世界に適用した場合、全世界の船舶の二酸化炭素排出量を年間6000万トン以上削減できる可能性があります。これはノルウェーのような国全体の総排出量よりも大きな数字です。 ジャスト・イン・タイムとは、「Sail-Fast-Then-Wait」方式に代わる港湾単位の輸送方式で、特定の港を訪れる船舶が航海の最終日(通常は到着の24~48時間前)にバースの空き状況を知らされ、航海速度と到着時刻を調整してラストマイルの混雑を最小にする方式です。 NAPAがBlue Visbyプロジェクトの一環として開発しているソフトウェアソリューションは、それだけではなく、船舶が航海を開始すると同時に推奨到着時刻を提供するものです。この時刻は、Blue Visbyソリューションに参加しているかどうかに関わらず、停泊中、停泊中、港へ向かっている他の全ての船舶を考慮したものです。また、現在の気象条件や港の混雑度、キャパシティを考慮した上で、船舶の特性や性能も考慮します。 各船は、Blue Visbyを使わずに単独で航行した場合と同じように、待ち行列内の位置を保持します。推奨到着時刻は、より詳細な情報が入手可能になるにつれ、航行中に更新・修正されます。航路の早い段階で目標到着時刻を設定することで、船員はよりゆっくりと航行し、航路を最適化してCO2排出量を削減することができます。 各船に目標到着時刻を割り当てるアルゴリズムには、商業的な機密情報は不要です。出港時刻は船長の報告が最も正確ですが、一般に公開されているAISデータでも十分代用可能です。船舶の性能は、すべての参加者にとって予測可能で公平な方法で、デジタルツインを用いて評価されることになります。 したがって、Blue Visbyは、ジャストインタイム・アライバルズの導入を制限してきた2つの重要な問題、すなわち個々の港にかかる労力と、機密の商業情報を共有することへの懸念を解決しました。 しかし、もう一つ、克服すべきコストと利益についての課題があります。そこで、プロジェクトの共同コーディネータである国際海事法律事務所Stephenson Harwood LLPが力を発揮してくれました。彼らの専門知識により、Blue Visbyソリューションには、インセンティブの分割という問題に対処するための革新的な契約上の枠組みが盛り込まれています。各航海のステークホルダー(船主、用船者、貨物関係者)が、燃料消費量節約、航海時間延長のコスト、CO2排出削減の金銭的価値(該当する場合)など、Blue Visbyソリューションの実施によるコストと利益を共有できる仕組みを導入しているのです。この契約形態は、海運契約の標準的な条項と互換性があるように設計されており、新たな法律や規制を必要としません。 NAPAのデジタル技術と組み合わせることで、Blue Visby ソリューションは、船舶の商業パフォーマンスに影響を与えることなく、航海速度とCO2排出量を削減することを可能にします。 今年7月には、中国の青島からオーストラリアのポートヘッドランドに向かうばら積み貨物船で実証実験を行いました。さらなる実証実験が予定されており、これまでプロジェクトに参加していただいた多くの企業に感謝しています。 NAPAが過去のデータを分析した結果、全世界を航行する13,000隻の貨物船の15万回の航海のうち、87%の航海速度の低下が可能であることが判明しました。 この規模のコラボレーションをサポートするために必要な技術はすでに存在しており、気候危機の緊急性を考えると、世界は今すぐ変化をもたらすソリューションを必要としているのです。 Blue Visbyのソリューションは、機器の設置する必要はなく、新しい考え方を持つだけです。今後、より多くのプロジェクトパートナーを迎えることができることを楽しみにしています。 本件に関するお問い合わせ先:
Read Article9月 27, 2022