NAPA Release 2021.2
新しいNAPAリリースが公開されました!
2021年の2番目のリリース、 NAPA 2021.2をリリースしましたことをお知らせします。今回のリリースでは、さらに品質、パフォーマンス、使いやすさの向上を図っております。
ソフトウェアの全ての更新内容は、インストーラーと一緒にお届けする「NAPA Release Notes 2021.2」にてご確認いただけます。
品質とパフォーマンスの向上
NAPAが最も大切にしている価値観は、reliability first (信頼性第一)です。 信頼性の高いソフトウェアソリューションは、海事産業において高い安全性基準を維持するための重要な要素であり、ユーザー要求の核心となることも少なくありません。
NAPA 2021.2リリースでは、機能面の開発に加え、NAPA、NAPA Designer、NAPA Draftingにおいて、数百に及ぶ個別の改善・修正を行いました。そのうち150以上のアップデートは、ユーザーからのフィードバックに基づき、品質、使いやすさ、性能の向上を目的として開発されたものです。NAPA 2021.2リリースノートには、最も関連性の高い改善・修正点が記載されておりますが、その中でも特に注目のアップデートを以下に紹介します。
確率論的損傷時復原性計算機能
最終結果に含めるケースの選定を最適化したことにより、SOLAS2020に基づく損傷時復原性計算の計算に係る時間が短縮されました。特に並列計算機能を使用し、効果は、PROB ManagerとStatutory Compliance Managerにおいて SOLAS2020に基づく損傷時復原性計算を行うことでその時短効果を享受頂けます。従来の並列計算を使用しない計算でも時短効果はございます。この改善で、計算時間を約25%短縮することができます。この改善は、SOLAS2009に基づく計算時間には影響しません。また、次のリリースでは並列計算のさらなる性能向上を予定しています。
また、到達区画指数(Attained Index)の合計に貢献するケースについて生成される水密・風雨密の限界面(最大水位の包絡面)を生成する処理速度も改善されました。この限界面は、現状計算された到達区画指数を満足するための、非保護開口及び風雨密開口の最低高さとして使用されます。時短効果は区画外の海水面の生成に対して最大75%、区画内のLocalな限界面の生成に対して最大50%に達します。
マネージャーアプリケーションの改善
いくつかのマネージャーアプリケーションは、エラー修正を幅広く追加することで改善されました。多くのアップデートは、アプリケーションの使い勝手を向上させたいというNAPAユーザーからのフィードバックを受けて行ったものです。また、200を超えるアプリケーションのマイナーアップデートを行い、特に使いやすさと品質の継続的な向上に努めました。
流体静力学と復原性計算
NAPA Designerは、復原性計算に使用する開口の表示・定義を行うツールを搭載しました。3次元の船型・区画モデルと一緒に開口の表示が可能です。この機能は、エアパイプやクロスフラッディング装置など、非損傷時および損傷時復原性計算に利用されるほとんどの開口(種類)および配置をサポートします。この新しい定義ツールにより、より直感的に復原性計算に使用する開口の定義を行うことができるようになりました。
NAPA Steel
構造モデリングの改善
NAPA Steelの機能がアップデートされ、モデリング精度と効率性を向上させるための多くの役立つ機能が追加されました。新しいリリースでは、サーフェスオブジェクト、スティフナー、開口のモデリングの改善など、多くのアップデートが含まれています。
例えば、新しい ”割り当て機能” の追加により、複数ユーザー環境のモデリングが大幅に改善されました。このツールの主な目的は、オブジェクトが同時に編集されることを防ぐことです。このツールは、アレンジメント内のオブジェクトのロックや使用制限はしませんが、モデルの同時編集をユーザーがコントロールしやすくし、オブジェクトの定義が意図せず更新されることを回避できます。
有限要素メッシュ(FEM)
FEMの主な改良点は、スティフナー、メインオブジェクト、メッシングのサポート機能などのアップデートが含まれています。 例えば、メインオブジェクトをビーム要素、スティフナーをシェル要素として理想化することができます。また、ブラケットスティフナーは、さまざまなオプションでモデルに含めることができます。
インターフェイス
DNV Nauticus Hullの規則計算インターフェイスは、NAPA Designerの標準機能のベータ版として提供されています。OCXインターフェースと合わせれば、構造強度規則の反復計算をNAPA Designerから離れることなく実行可能になりました。
NAPA DesignerとNAPA DraftingのCADコンポーネントセクション
NAPA Designerは、インポートしたCADコンポーネントの断面を生成するようになりました。また、同じ情報をNAPA Draftingで直接利用することもでき、図面にCADコンポーネントの2D断面を追加することも可能です。
機能全般
NAPA Designer
NAPA DesignerのCopy content 機能が改良され、異なるバージョンやプロジェクト間でのオブジェクトのコピーをより簡単に行って頂けるようになりました。この機能を使用することで、あるオブジェクトと、そのオブジェクトが参照するものを全て簡単に一括コピーができます。また、あるバージョンまたはプロジェクト内のNAPAマクロやテーブルなど、個々のオブジェクトを選択してコピーすることもできます。
NAPA Drafting
NAPA DraftingはAutoCAD OEM 2021ベースに更新され、AutoCAD本体の新機能が加わりました。なお、これまでのNAPA Draftingのバージョンは、AutoCAD OEM 2016をベースとしていました。
アップデートの詳細は、NAPA 2021.2リリースノート に記載しています。
Ps. 新しいインストーラーはNAPAnet より他の資料と合わせてダウンロードが可能です。