NAPA 2022.1リリースを公開しました!
2022年最初のNAPAリリースは、確率論的損傷時復原性計算、構造設計、有限要素メッシングなど、計算およびモデリング機能の主要項目に大幅なアップデートを行いました。また新機能は、品質と性能に一切妥協することなく、ユーザーエクスペリエンスのさらなる向上を目的としています。
ソフトウェアの更新内容はすべて、インストーラーと一緒にお届けするNAPA 2022.1リリースノートにてご確認いただけます。
NAPAのバージョンアップはこちらからユーザーエクスペリエンスの向上を追求
NAPA Release 2022.1では、ソフトウェアのユーザーエクスペリエンスを重視しました。 主要部分をいくつかご紹介します:
- NAPA Designerには、積み付け計算用の新しいツールセットが搭載されており、積み付け状態を定義し、その規則適合性を分析するための迅速かつ最新のユーザーインターフェイスが提供されています。
- 複数のユーザーが同じモデル上でシームレスにかつ同時に作業できるように、マルチユーザー構造モデリングの安全性をより高めました。
- 構造モデリングは、新しい支援ツールやモデリング機能により、より効率的になるよう改善されています。
- 2D図面用NAPA Draftingは、区画交差の注釈と自動生成されたタンク容量表を含む一般配置図に対応しました。
ユーザーエクスペリエンスのほかに、確率論的損傷時復原性計算で最も重要なことの一つは、フィードバックの反映が効率的か否かです。フィードバックへの対応時間を短くするために、並列計算の性能をさらに向上することができました。
ハイドロ計算と復原性
NAPA Designerによる積み付け計算
NAPA Designerでは、積み付け状態を作成・編集そして計算するための新しい作業スペースとツールセットが追加されました。この新しい作業スペースでは、素早い規則適合性解析ツールにより、複数の積み付け計算の同時処理が可能な使いやすく効率的なユーザーインターフェイスを提供します。NAPA Designerで定義された積み付け条件は、レポート作成など他のツールとも連携可能です。この新しいツールは、公開したばかりであり、現在も開発を続けています。このツールは頻繁にアップデートを行い、今後のリリースでさらなる機能充実を予定しています。
構造設計
マルチユーザーモデリング環境の向上
NAPA Designer 2022.1の割当て機能では、1人のユーザーに対してのみ構造配置の割当てが可能です。これにより、他のユーザーによる主要構造物や構造細部の編集を制限し、マルチユーザーモデリングの安全性を確保します。
機能向上とアシストツールの充実
NAPA Steel の構造モデリングは、構造詳細の双方向のモデリングと操作性の向上を目指し、多くの細かな改良を加えました。
構造詳細の共有により、一度定義した詳細を他の構造部品と共有することができ、詳細を再定義する必要がないため、モデリングの効率が向上します。また、ブラケットも他の構造物の詳細と一緒に共有できるようになりました。
双方向の構造モデリングの効率を高めるため、新しいバージョンではスティフナーのエンドカットとカットアウト形状のライブラリが含まれており、プロファイルライブラリにも改良を加えております。この機能向上により、構造物の詳細設計を正確かつ効率的に行うことができ、設計プロセスのより早い段階で、正確に定義された構造モデルのメリットを享受することができます。
船舶設計が進化すると、モデル化された構造が変化することがあります。例えば、一度分割された構造は、スティフナーやシームも含めて再度繋ぎ合わせる必要がある場合もあります。このような場合に、一度分割されたスティフナーとシームを繋ぐことができる新機能を搭載しました。
FEメッシュ生成機能
FEメッシュ生成機能では、強度的に重要な船舶構造箇所のFEメッシュをピンポイントで、素早く自動的に生成することが可能です。主な改良点はメッシュ品質とメッシングのユーザーエクスペリエンスで、例えばファインメッシュの生成や 微小形状要素の理想化の一括適用などが挙げられます。
もう一つの重要な改良点としては、波浪荷重などの外部荷重と境界条件をメッシュに適用できるようになったことが挙げられます。これにより、設計の初期段階から、実海域での強度を解析し、それに応じた構造設計を行うことができるようになりました。FEM機能は、NAPA Steelの機能の一つです。
設計の初期段階におけるFEMの有用性についての関連記事は以下からご覧ください。
細部が成否を分ける – なぜ早期のFEM解析が不可欠なのか?
NAPA ウェビナー動画: NAPA FEMでより良い設計を(英語配信)
インターフェイス
Open Class 3D Exchange (OCX) フォーマットの継続的に開発行ってまいりました。例えば、OCXインポート機能は、インポートしたモデルの評価ツールを追加することで改善しました。また、インポート処理の高速化のために、より多くのオプションを追加するなど、区画インポート機能を向上させました。
例えば、DNV Nauticus HullインターフェースやABS UDMインターフェースなど、船級協会のインターフェースに改良が施されています。
NAPA Draftingによる2D図面の作成
NAPA Draftingは、2D図面と3Dモデルを接続し、3Dモデルから図面の自動更新が可能です。NAPA Draftingは構造設計で長年使用されてきましたが、今回、区画形状の交差、関連する注釈、容積にも対応しました。区画の交差部分は、取得した区画のパラメータ(内容物など)に応じて、実線またはパターン状のハッチの注釈を付けることができます。選択した区画について、自動生成・更新可能なタンク容量一覧表の作成が可能です。
アップデートの詳細は、NAPA 2022.1リリースノート に記載しています。 新しいインストーラーは、NAPAnet にてダウンロードして頂けます。
お読みいただきありがとうございました!
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