バルカーで17%のCO2削減確認 到着時間最適化のBlue Visby
日本・東京-2024年5月21日-海事プレス(ニュース-海運<経営・全般>)にて、デジタル技術を活用して船舶の目的地到着時間を最適化することで、船舶の温室効果ガス(GHG)排出削減を目指すブルー・ヴィスビー・コンソーシアムが3月から4月にかけてバルカー2隻で実施したトライアル航海で、平均17.3%の二酸化炭素(CO2)削減効果が確認されたことが掲載されました。ぜひご覧ください。
デジタル技術を活用して船舶の目的地到着時間を最適化することで、船舶の温室効果ガス(GHG)排出削減を目指すブルー・ヴィスビー・コンソーシアムは3月から4月にかけてトライアル航海をバルカー2隻で実施した。14ノットの船速を前提とすると、1隻は28.2%、もう1隻は12.9%、平均17.3%の二酸化炭素(CO2)削減効果が確認された。
昨年のパイロット・プログラムに続いて今回、プロトタイプ・トライアルが行われ、その結果が17日に公表された。今回トライアルで用いられたのは“Gerdt Oldendorff”と“Begonia”のバルカー2隻で、コンソーシアムに参加する穀物生産者協同組合CBHグループの用船の下、同グループの豪州のクウィナナ・グレーン・ターミナルへバラスト航海を実施した。“Gerdt Oldendorff”はトライアルでは12ノットの船速に対して7.9%のCO2削減となったため、船速14ノットとすると28.2%の削減が可能という。ブルー・ヴィスビーのソフトウェア、技術や運航のシステム、利益分配メカニズムなどもテストされた。
今後数カ月のうちにより広範な参加者によるプロトタイプ・トライアルを実施することも計画している。
2022年に発足したブルー・ヴィスビー・コンソーシアムは、船舶の性能や海象、港湾の混雑状況などのデータを統合し、同じ港を目指す船舶群の到着時間の最適化・分散を行うことで、船舶から排出されるGHGの削減を目指している。そのための統合プラットフォーム「Blue Visby Solution」の開発を進めている。コンソーシアムには日本から丸紅、商船三井、日本海事協会(NK)、日本政策投資銀行が参加。NK子会社のNAPAと国際弁護士事務所のスティーブンソン・ハーウッドが共同で運営している。
*海事プレスから転載の許可を得ています。
海事プレス プレスリリース:https://www.kaijipress.com/news/shipping/2024/05/184240/
PDF:バルカーで17%のCO2削減確認到着時間最適化のブルー・ヴィスビー _ 海運<経営・全般> _ ニュース _ 海事プレスONLINE
海事プレスURL:https://www.kaijipress.com/
Blue Visbyについて、詳しくは下記の関連記事もご覧ください。
- Blue VisbyがNKのInnovation Endorsement (IE)を取得
- NAPAのデジタル技術を活用し、”Sail Fast, then Wait”(速く航走して、沖待ち)を防ぎ、海運のCO2排出量を削減する新たな協業を推進
- デジタル技術活用で船舶CO2削減 丸紅、NAPAらのコンソーシアム参画
- データを活用した公正なソリューションで”Sail Fast, then Wait”(速く航走して、沖待ち)を解決し、排出量を削減
- NAPA、BlueVisby コンソーシアムへの日本政策投資銀行の加盟を歓迎 ~金融機関としては初の加盟~
- インタビュー掲載 Blue Visby計画、契約形態なども議論