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港湾参画でGHG削減積み増しへ NAPA Japan 水谷、Blue Visby推進

日本・東京ー2024年8月20日ー海事プレス(ニュース-海運<コンテナ・物流>)にて、日本港湾として初めて横浜港が「Blue Visby コンソーシアム」に、参画したことへの期待について、Blue Visbyのコーディネーターを務める NAPA Japan 代表取締役 水谷直樹が受けたインタビュー記事が掲載されました。ぜひご覧ください。


船舶の沖待ちを無くし、温室効果ガス(GHG)排出量の削減を目指す「ブルー・ヴィスビー・コンソーシアム」に、日本港湾として初めて横浜港が参画した。ブルー・ヴィスビーのコーディネーターを務めるNAPAの日本法人、NAPAジャパンの水谷直樹社長に横浜港が参画することへの期待について聞いた。
— ブルー・ヴィスビー・コンソーシアムとは。
「港湾関係者や荷主、船主、用船者、金融・保険などが協力し、『速く航海して沖で待つ』という慣習を無くすことを目的としているコンソーシアムだ。同じ港湾に向かう船のグループについて、各船舶の性能や港湾の処理能力・混雑状況、天候などの条件を考慮し、デジタルツインを活用して到着時間を最適化・分散化することで、海上輸送におけるGHG排出量を従来から15〜20%削減することを目指している。また、ブルー・ヴィスビーによって得られた利益を、契約に基づいて参加者に公平に分配できる仕組みも構築している。既にシミュレーションによる実証試験が終わり、現在はリアルタイム実船実証試験を実施中だ。今年から来年にかけて商業的に運用を開始することを目標としており、スピード感を重視して取り組みを進めている」
— 現在の事業者の参画状況は。
「現時点で世界の35の企業・機関が参画している。NAPAはブルー・ヴィスビーのメンバーであると同時に、コーディネーターを務めている。またプラットフォームの技術開発も担当している。日本国内では日本海事協会や丸紅、商船三井、日本政策投資銀行が参画している。世界の港湾では豪州のニューカッスル港とニューサウスウェールズ港に加え、先週からはオランダ・ロッテルダム港も参画している。横浜港は日本港湾として初の参画となり、世界で見ても4港目となる」
「今後もメンバーを増やしていきたいと考えている。IMO(国際海事機関)の第82回海洋環境保護委員会(MEPC82)では、BIMCOがブルー・ヴィスビー・コンソーシアムの取り組みを推奨し、提案する方針だが、こうした動きも追い風となる。今年末までには参画メンバーが50企業・機関程度になることを期待している」
— 横浜港などの港湾が入ることで、ブルー・ヴィスビーにどのような期待があるか。
「ブルー・ヴィスビーでは、海上航海を最適化することで、理論上では約16%のGHG削減が望めるが、港湾におけるバーシングを『ラストワンマイルの問題』として扱い、解決を図ろうとしていない。しかし、『ラストワンマイル』となるバーシングも最適化できれば、さらに4%の削減効果の上積みを期待できる。海上輸送全体の最適化を考えた時に港湾はボトルネックになりやすい。港湾が参画して連携を強化できれば、さらに最適化できる。ブルー・ヴィスビーの取り組みが、港湾運営のさらなる改善を促すことにつながる可能性もある」
「今回、横浜港が日本港湾として初めて参画したことは非常に大きなステップだと捉えている。横浜港が入ることで、他の日本港湾にも参画していただけるのではないかという期待もあり、一つのきっかけにしていきたい。横浜港のようなコンテナや自動車などを総合的に取り扱う都市型の港湾のみならず、例えば原料を積み下ろすような地方港にも入っていただきたい。日本の港湾のメンバーも増やしていきたい」
— 横浜港とは具体的にどのような活動を行っていく方針か。
「既にブルー・ヴィスビーに参画している豪州の港湾は、主にバルカーで輸送された原料を取り扱う港湾だ。一方で、横浜港はコンテナ船や自動車船などの寄港が多く、こうした船種においてもブルー・ヴィスビーの仕組みをどのように生かすことができるか、一緒に連携しながら考えていきたい。まずは情報共有や意見交換を積極的に行いつつ、将来的には港の個別事情も踏まえながら、さまざまな効果実証や研究なども実施していきたい」
(聞き手:中村晃輔)


*海事プレスから転載の許可を得ています。
海事プレス プレスリリース:https://www.kaijipress.com/news/container/2024/08/186463/
PDF:港湾参画でGHG削減積み増しへNAPAジャパン・水谷社長、ブルー・ヴィスビー推進 _ 海運<コンテナ・物流> _ ニュース _ 海事プレスONLINE
海事プレスURL:https://www.kaijipress.com/

Blue Visbyについて、詳しくは下記の関連記事もご覧ください。

 

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