3D船級承認などで設計効率化 NAPA、船舶複雑化でデジタル活用不可欠に
日本・東京ー2023年10月5日 –海事プレス(ニュース ー 造船・船用)にて掲載された通り、NAPAのCEOのMikko Kuosaは弊社 代表取締役 水谷直樹とともに設計プロセスの効率化について、都内で会見を行いました。ぜひご覧ください。
船舶設計や運航システムを手掛けるフィンランドのNAPA社のミッコ・クオサCEOは、造船業が直面する課題として船舶設計の複雑化などを挙げ、「設計プロセスを効率化するツールを提供することで対応していく」と語る。設計効率化の一例として、船級協会による設計承認のプロセスを3Dモデルで行えるようNAPAが日本海事協会(NK)など各船級協会と開発を進めていることを紹介。これにより「設計プロセスが大幅に効率化する」と説明した。
3日に都内で開催した会見で、造船向け設計ソリューションの現状などについて説明した。
NAPAの3D設計システム「NAPA Designer」や「NAPA Steel」は船舶の構造設計や基本設計など設計の上流段階で幅広く使われており、新造船の95%がNAPAのシステムを設計で活用しているという。
設計効率化へ取り組んでいる一例が、船級協会の図面承認の3D化だ。船舶の設計がルールなどを満たしているかを確認するための船級協会の審査は現在、2次元(平面)の設計図面をもとに行われており、造船所が3Dで設計作業を行ってもいったん審査用に図面に転換する必要がある。3D設計が一般化する中、3Dモデルでの承認作業への転換が期待されているが、NAPAは設計と船級承認のデータ連携などに取り組んでいる。
また、船舶の実海域性能を設計段階から考慮することが重要性を増しているが、NAPAは性能シミュレーションなどの運航解析ツールも展開しているため、これを設計段階から組み入れることで、実海域でどのように船舶が性能を発揮するかを検討しながら設計することが可能になるとした。
船舶の複雑化と造船所の設計人員不足などが業界の課題となっているが、水谷直樹NAPAジャパン社長は「最近、特に構造設計の分野などでNAPAの導入・活用が以前に増して急速に広がっている。フロントローディング化が期待されており、設計の初期段階で課題をつぶして全体の工数を下げてクオリティも上げていかないと、対応できないとの意識になってきた」と説明。また、造船所によるコンサルの活用や、海運会社など複数企業と連携する例が増えていることについても「NAPAは95%の新造船の上流設計で利用されている『コモンツール』。同じツールを利用することでコラボレーションもしやすくなる」とNAPAが果たす役割を強調した。
*海事プレスから転載の許可を得ています。
海事プレス プレスリリース:https://www.kaijipress.com/news/shipbuilding/2023/10/178886/
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