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飯野海運、NAPA Voyage Optimization(航路最適化システム)の導入を決定

風力推進補助装置(ローターセイル)との組み合わせで更なるコスト削減を実現

日本・東京ー 2024年4月11日ー飯野海運株式会社 (以下、飯野海運)はこの度、海事ソフトウェアとデータサービスのエキスパートであるNAPAと、Norsepower社製の風力推進補助装置(以下、ローターセイル)を搭載した2隻の飯野海運保有の船舶にNAPA Voyage Optimization(以下、本ツール)を導入することで合意しました。本ツールのウェザー・ルーティング(*¹)機能を活用することで、ローターセイルによる燃料消費削減の効果を最大化し、温室効果ガス(Green House Gas:GHG)の排出を最小限に抑えることができます。

 

本ツールは、飯野海運保有のVLGC(Very Large Gas Carrier)1隻と石炭専用船1隻に導入を予定しています。ローターセイルによる運航効率の向上およびGHG排出削減の効果を最大限発揮するため、本ツールは今年の第2四半期から高度なシミュレーション、評価、および航路・運航速度の最適化ツールとして活用され、様々な気象・海象条件の下であらゆる航路におけるパフォーマンスを包括的に比較できるようになります。

 

ローターセイルの搭載だけでも両船はそれぞれ約3~4%の燃料消費量とCO₂排出量の削減が見込まれていますが、NAPAとのコラボレーションにより、運航上の意思決定に役立てるために航海の最適化支援を活用し、また、高度なウェザー・ルーティング機能とローターセイルを組み合わせることで、CO₂排出量の削減率をさらに3〜10%引き上げることを目指しています。

 

飯野海運は、2023年5月に発表した中期経営計画 “The Adventure to Our Sustainable Future “においてテーマに掲げるカーボンニュートラルへの挑戦に取り組んでいます。具体的なコスト削減を図り、デジタル技術を駆使して航路を最適化することで投資利益率を最大化し、さらなる脱炭素化への取組みや設計・運航の革新を推進していきます。

 

<飯野海運 取締役 専務執行役員 小薗江隆一 コメント>

「NAPA社のデータに関する洞察力と専門知識は、当社の脱炭素化戦略を推進し、投資利益率を最大化する上で非常に貴重なものです。当社の船舶がどのような性能を発揮するか、どれだけの燃料を必要とするか、どれほどの排出量となるかなど、航海が開始する前の段階でシミュレーションできることは、市場のボラティリティが高まり、規制が強化されている今、極めて重要な知見です」

 

<NAPA Pekka Pakkanen, Executive Vice President for Shipping Solutions コメント>

「脱炭素化に向けて、海運業界全体が協力し、新たな道を開いています。当社が飯野海運の風力推進の可能性を最大限に引き出すための役割を果たせることを誇りに思います。このパートナーシップは、飯野海運の環境に対する意欲的な取組みを推進し、より多くの船主やオペレーターに海運のエネルギー転換加速のための投資を促す上で重要な役割を果たすことになります」

「航海の最適化と風力推進を組み合わせることで、燃料削減を大幅に達成することができます。潜在能力を引き出し、相互連携を強化し、より効率的で環境に優しく、安全な航海海運を実現すべく、データを活用するのです」

 

(*¹)ウェザー・ルーティング

船舶が航海中に遭遇する気象や海象を予測し、船舶の状態や性能・到着時間などを考慮して、安全性・快適性・燃料消費量・最短航海時間などの項目一つあるいはそれらの組み合わされた評価基準により最適な航路を設定すること。

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NAPAについて

NAPAは、グローバルな海運業界向けのソフトウェアとデジタルサービスのリーディングプロバイダーであり、データサイエンスを活用して、より安全で、より持続可能で、将来にわたって有効な船舶運航を実現しています。

船舶設計のためのスマートソリューションを提供するために1989年に設立され、現在では同社の顧客が建造する新造船の90%以上に採用されるなど、船舶建造において世界的な基準となっています。現在、同社の専門知識は船舶のライフサイクル全体に及び、船舶設計から船舶の運航安全性と効率に至るまで網羅しています。世界中の商船約3,000隻が同社の安全性と効率性向上のためのソリューションを搭載しており、これには海上での安全管理に積極的に取り組むデジタル船舶復原性システム、新たな運航効率を導き出すための知見を提供するクラウドベースのパフォーマンスモニタリング、そして航海最適化ソリューションが含まれています。

フィンランドに本社を置く同社は、200人の専門家を擁し、日本、韓国、中国、シンガポール、米国、ドイツ、ギリシャ、ルーマニア、インドの拠点を通じ、世界中で事業を展開しています。

詳細は、NAPAウェブサイト(www.napa.fi)をご覧ください。

 

飯野海運について

飯野海運は 1899 年創業の東京に本社を置く海運会社です。飯野海運グループは、原油、LNG、LPG、石油化学製品、乾貨物などのエネルギー資源およびその関連製品の輸送に特化した船主およびオペレーターとして、全世界で輸送サービスを展開しており、2023年 12 月現在、大型原油タンカー4 隻、小型 ガス船 24 隻、ケミカルタンカー36 隻、ドライバルク船 20 隻、大型 ガス船8 隻の合計 92隻を保有・運航しています。

飯野海運グループは、2023年5月発表の中期経営計画「The Adventure to Our Sustainable Future」において、気候変動を始めとするサステナビリティへの取組みを強化しています。脱炭素社会の実現に向けたロードマップを作成し、2030年までの温室効果ガス削減目標として、不動産業では排出総量を2013年度比で75%削減、海運業ではトンマイル当たりの排出量を2020年度比で20%削減、2050年までには全社でカーボンニュートラル達成を掲げています。環境負荷低減に資する資産や革新的な技術への投資を進め、全社的な取組みを推進しています。

詳細は、飯野海運ウェブサイト(https://www.iino.co.jp/kaiun/index.html)をご覧ください。

 

Norsepowerについて

Norsepower は、フィンランドのクリーンテクノロジーおよびエンジニアリング会社で、世界の海運業界向けに最新の風力推進補助装置を開発しています。Norsepower のローターセイルは、8 年以上にわたって顧客に使用され、保守点検が容易で使いやすく、信頼性の高い燃料節減技術として実証されており、海運業界の脱炭素化を支えています。

詳細については、Norsepower ウェブサイト(www.norsepower.com)をご覧ください。

 

問い合わせ先 – NAPA

お問い合わせ

 

問い合わせ先 – 飯野海運株式会社

SR広報部  03-6273-3067

問い合わせフォーム:https://www.iino.co.jp/kaiun/contact/form.php

 

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