Tag: Decarbonization
NAPA、ClassNKと1500隻への試験的導入の成功後、FuelEU compliance toolをリリース
FuelEUモジュールは、船舶から陸上、検証機関までのデータ管理と報告を合理化し、排出削減への積極的なアプローチを可能にするコンプライアンス・プラットフォームを船主や運航者に提供します。 ヘルシンキ・フィンランド: 2024年8月28日-世界的な海運業界向けソフトウェア・データサービスプロバイダーであるNAPA Ltd. (以下「NAPA」)は、FuelEUモジュールのリリースを発表しました。この新機能は、リアルタイムで予想される罰則を評価し、自社船の様々なコンプライアンス・シナリオをシュミレートすることにより、船主や管理者がEUで施行予定であるFuelEU Maritime規則を遵守できるように設計されています。 FuelEUモジュールにより、船主やオペレーターが新しい規制が自分たちのオペレーションに与えるを理解するのに役立つことが実証されました。このツールは、一般財団法人日本海事協会(以下「ClassNK」)のZETAプラットフォームを通じて約1,500隻の船舶に適用されており、組織は積極的に二酸化炭素排出量を削減し、規制要件を満たすことができます。 NAPA FuelEUモジュールは、翌年からのCO2排出量の蓄積、預入、借入などの色々な解決策を評価するため、EU MRVとnoon reportデータ、およびNAPAの一連の船舶性能分析とシミュレーション・ツールを使用して、さまざまなコンプライアンス・シナリオをシミュレーションし、予想されるペナルティをリアルタイムでチェックするのに役立ちます。これは、船隊の燃料炭素強度にプラスの影響を与え、コンプライアンスを確保するために、船主やオペレーターが運航上の変更を決定するのに役立つ新たなをもたらします。 また、NAPAのFuelEUモジュールは、あらゆる海運セグメントにおいて、船舶から陸上、検証機関までのデータ収集・管理を合理化し、義務報告を容易にします。FuelEU Maritime規制は2025年1月1日から施行され、EUまたは欧州経済地域(EEA)で取引される5,000GT以上の船舶に適用されます。再生可能燃料や低炭素燃料の利用を促進するため、船舶が航行中に使用するエネルギーの温室効果ガス排出量(GHG)原単位についての要件も設けられる予定です。 FuelEUモジュールはNAPAが開発し、規制と報告要件に関する見識はClassNKが提供しました。次の段階として、NAPAは追加機能を開発する予定であり、これには罰則・コスト・排出量の観点から、過去及び将来の航海における燃料変更の影響をシュミレーションすることも含まれます。 NAPA Shipping Solutions, Product Manager, Ossi Mettäläは次のように述べています:「このモジュールの開発は、まさにコラボレーションの力を証明するものです。ClassNKの規制に関する専門知識に加え、私たちの先進的なデジタル機能とデータインサイトが融合することで、顧客を海運のエネルギー転換期を切り拓く最前線に据えることができます」 ClassNK グリーントランスフォーメーションセンター長 内藤 勝也氏は次のように加えます:「 NAPAのデジタル技術と海事に関する専門知識は、私たちのビジョンを実現するために不可欠なものです。私たちは規制とコンプライアンスのギャップを縮めたいと考えており、データ管理、報告、オペレーションの最適化を簡略化するこの新しいツールによって、排出削減行動の驚くべき可能性を見出しています。」 編集者の方々へ NAPAについて NAPA は、世界の海運業界向けにソフトウェアとデジタルサービスを提供するリーディングカンパニーであり、データサイエンスを活用することで、より安全で持続可能な、将来を見据えた海運業を実現しています。 船舶設計のためのスマート・ソリューションを提供するため1989年に設立されたNAPAは、現在では造船における世界的な業界標準となっており、新造船の90%以上がNAPAの顧客によって建造されています。今日、同社の専門知識は、造船所から海上での運航の安全性と効率性までと、船舶のライフサイクル全体に及んでいます。3,000隻以上の船が、海上での安全に対する積極的なアプローチや、クラウドベースのパフォーマンス・モニタリングによる新たな業務効率を引き出す見通しの提供、航海中排出される温室効果ガスを削減する航路最適化ソリューションを可能にするデジタル船舶安定システムを含む、NAPAの安全性と効率性の高いソリューションで世界中を航行しています。 フィンランドに本社を置くNAPAは、船舶工学、船舶の運用、デジタルサービスの専門知識を兼ね備えた200名のエキスパートを擁しています。日本をはじめ、韓国、中国、シンガポール、米国、ドイツ、ギリシャ、ルーマニア、インドで事業を展開し、グローバルに活動しています。 詳しくはhttps://www.napa.fi/ja/をご参照ください。 ClassNKについて ⼀般財団法⼈⽇本海事協会(ClassNK)は、1899 年に設⽴された船級協会で、第三者認証を通じて安全と環境保全に貢献することを使命とする。独⾃規則及び約100 か国の旗国政府を代⾏しての国際条約に基づく船舶・海洋構造物の検査・証明、ISO等に基づくマネジメントシステム認証など、多様な技術サービスを展開。ClassNKは、「ClassNK Digital Grand Design 2030」のコンセプトに基づき、デジタル時代における船舶の安全性評価のあり方を探るプロジェクトに参画しています。 詳しくはhttps://www.classnk.com ご参照ください。 本件に関するお問い合わせ先:
Read Article8月 28, 2024
港湾参画でGHG削減積み増しへ NAPA Japan 水谷、Blue Visby推進
日本・東京ー2024年8月20日ー海事プレス(ニュース-海運<コンテナ・物流>)にて、日本港湾として初めて横浜港が「Blue Visby コンソーシアム」に、参画したことへの期待について、Blue Visbyのコーディネーターを務める NAPA Japan 代表取締役 水谷直樹が受けたインタビュー記事が掲載されました。ぜひご覧ください。 船舶の沖待ちを無くし、温室効果ガス(GHG)排出量の削減を目指す「ブルー・ヴィスビー・コンソーシアム」に、日本港湾として初めて横浜港が参画した。ブルー・ヴィスビーのコーディネーターを務めるNAPAの日本法人、NAPAジャパンの水谷直樹社長に横浜港が参画することへの期待について聞いた。 — ブルー・ヴィスビー・コンソーシアムとは。 「港湾関係者や荷主、船主、用船者、金融・保険などが協力し、『速く航海して沖で待つ』という慣習を無くすことを目的としているコンソーシアムだ。同じ港湾に向かう船のグループについて、各船舶の性能や港湾の処理能力・混雑状況、天候などの条件を考慮し、デジタルツインを活用して到着時間を最適化・分散化することで、海上輸送におけるGHG排出量を従来から15〜20%削減することを目指している。また、ブルー・ヴィスビーによって得られた利益を、契約に基づいて参加者に公平に分配できる仕組みも構築している。既にシミュレーションによる実証試験が終わり、現在はリアルタイム実船実証試験を実施中だ。今年から来年にかけて商業的に運用を開始することを目標としており、スピード感を重視して取り組みを進めている」 — 現在の事業者の参画状況は。 「現時点で世界の35の企業・機関が参画している。NAPAはブルー・ヴィスビーのメンバーであると同時に、コーディネーターを務めている。またプラットフォームの技術開発も担当している。日本国内では日本海事協会や丸紅、商船三井、日本政策投資銀行が参画している。世界の港湾では豪州のニューカッスル港とニューサウスウェールズ港に加え、先週からはオランダ・ロッテルダム港も参画している。横浜港は日本港湾として初の参画となり、世界で見ても4港目となる」 「今後もメンバーを増やしていきたいと考えている。IMO(国際海事機関)の第82回海洋環境保護委員会(MEPC82)では、BIMCOがブルー・ヴィスビー・コンソーシアムの取り組みを推奨し、提案する方針だが、こうした動きも追い風となる。今年末までには参画メンバーが50企業・機関程度になることを期待している」 — 横浜港などの港湾が入ることで、ブルー・ヴィスビーにどのような期待があるか。 「ブルー・ヴィスビーでは、海上航海を最適化することで、理論上では約16%のGHG削減が望めるが、港湾におけるバーシングを『ラストワンマイルの問題』として扱い、解決を図ろうとしていない。しかし、『ラストワンマイル』となるバーシングも最適化できれば、さらに4%の削減効果の上積みを期待できる。海上輸送全体の最適化を考えた時に港湾はボトルネックになりやすい。港湾が参画して連携を強化できれば、さらに最適化できる。ブルー・ヴィスビーの取り組みが、港湾運営のさらなる改善を促すことにつながる可能性もある」 「今回、横浜港が日本港湾として初めて参画したことは非常に大きなステップだと捉えている。横浜港が入ることで、他の日本港湾にも参画していただけるのではないかという期待もあり、一つのきっかけにしていきたい。横浜港のようなコンテナや自動車などを総合的に取り扱う都市型の港湾のみならず、例えば原料を積み下ろすような地方港にも入っていただきたい。日本の港湾のメンバーも増やしていきたい」 — 横浜港とは具体的にどのような活動を行っていく方針か。 「既にブルー・ヴィスビーに参画している豪州の港湾は、主にバルカーで輸送された原料を取り扱う港湾だ。一方で、横浜港はコンテナ船や自動車船などの寄港が多く、こうした船種においてもブルー・ヴィスビーの仕組みをどのように生かすことができるか、一緒に連携しながら考えていきたい。まずは情報共有や意見交換を積極的に行いつつ、将来的には港の個別事情も踏まえながら、さまざまな効果実証や研究なども実施していきたい」 (聞き手:中村晃輔) *海事プレスから転載の許可を得ています。 海事プレス プレスリリース:https://www.kaijipress.com/news/container/2024/08/186463/ PDF:港湾参画でGHG削減積み増しへNAPAジャパン・水谷社長、ブルー・ヴィスビー推進 _ 海運<コンテナ・物流> _ ニュース _ 海事プレスONLINE 海事プレスURL:https://www.kaijipress.com/ Blue Visbyについて、詳しくは下記の関連記事もご覧ください。 NAPAのデジタル技術を活用し、”Sail Fast, then Wait”(速く航走して、沖待ち)を防ぎ、海運のCO2排出量を削減する新たな協業を推進 デジタル技術活用で船舶CO2削減 丸紅、NAPAらのコンソーシアム参画 データを活用した公正なソリューションで”Sail Fast, then Wait”(速く航走して、沖待ち)を解決し、排出量を削減 船舶到着時間の最適化で排出削減 NAPA、BlueVisby コンソーシアムへの日本政策投資銀行の加盟を歓迎 ~金融機関としては初の加盟~ インタビュー掲載 Blue Visby計画、契約形態なども議論 Blue VisbyがNKのInnovation Endorsement (IE)を取得 バルカーで17%のCO2削減確認 到着時間最適化のBlue Visby […]
Read Article8月 20, 2024
横浜港、Blue Visbyに参画、日本港湾で初、GHG削減促進
日本・東京ー2024年8月20日ー海事プレス(ニュース-海運<コンテナ・物流>)にて、横浜港が、デジタル技術を活用して船舶の航海を最適化し、温室効果ガス(GHG)排出量を削減する「Blue Visby コンソーシアム」に日本港湾として初めて参画したことが掲載されました。ぜひご覧ください。 横浜港は、デジタル技術の活用により船舶の航海を最適化し、温室効果ガス(GHG)排出量の削減を目指す「ブルー・ヴィスビー・コンソーシアム」に参画した。日本港湾として初の参画となる。横浜市港湾局とブルー・ヴィスビー・サービセス、同コンソーシアムのコーディネーターを務めるNAPAジャパンが19日に発表した。横浜港としてブルー・ヴィスビーに参画することで、港湾における脱炭素化を実現するカーボンニュートラルポート(CNP)の形成に向けた取り組みを加速していく方針だ。 ブルー・ヴィスビー・コンソーシアムは、英国の国際弁護士事務所であるスティーブンソン・ハーウッドと、船舶設計と安全・効率運航に関わるシステム・データソリューションを提供するフィンランドのNAPAを中心に、30以上の企業・機関で構成される。「Blue Visby Solution」という同コンソーシアムのシステムを活用することで、同じ目的港へ向かう船舶群の到着時間を最適化・分散化する。具体的には、港に向かう全ての船舶の状況を把握し、各船舶の性能や目的港の混雑状況・天候などの条件を考慮して、全体の最適化を図った上で、各船舶に最適な目標到着時刻を提案する。また、各船舶の最適な航行速度を割り出し、効率的な航海を行うことで、GHG排出量を15%以上削減することを目指している。 横浜港では現在、CNPの形成に向けた取り組みを加速している。昨年10月には日本港湾で初めて、ライトシップ社による船舶からの排出ガスの可視化サービスを採用した。同サービスの活用により、横浜港内の全ての船舶から排出されるGHGなどの推計値を正確に把握できるようになったほか、横浜港内で沖待ちしている船舶から多くのGHGが排出されていることを可視化することができた。日本の港湾管理者には船舶に対して最適な航行を求める権限はないものの、ブルー・ヴィスビーに参画することで、官民連携を通じて船舶の最適運航を訴求し、横浜港内の船舶から排出されるGHGの削減を目指す。また横浜市港湾局は、今年度中に策定予定の「港湾脱炭素化推進計画」の中で、脱炭素化に向けた取り組みとして設備投資のようなハード対策のみならず、ブルー・ヴィスビーのようなソフトの取り組みも位置付けていきたい考えだ。 NAPAジャパンの水谷直樹社長は、「ブルー・ヴィスビーが目指す『沖待ちを無くし脱炭素化に貢献する』ためには、船主や用船、港湾といった、さまざまな海運関係者の相互協力が欠かせない。横浜港が、日本で初めてブルー・ヴィスビーに参画したことは大きな前進だ。今後、協働の仕組みづくりや効果実証などを進めていきたい」とコメントした。 また、近年は港湾運営や海上輸送における脱炭素化に向けた取り組みが加速しており、グリーン海運回廊の構築といった動きも世界的に加速している。水谷社長は、「ブルー・ヴィスビーは、こうした今動いているGHG削減に向けたさまざまな取り組みと相反するものではなく、協業できると考えている。ブルー・ヴィスビーで培った知見やネットワークを生かし、他の取り組みと連携することで、さらなるGHG排出削減につながると期待している」と述べた。 *海事プレスから転載の許可を得ています。 海事プレス プレスリリース:https://www.kaijipress.com/news/container/2024/08/186462/ PDF:ブルー・ヴィスビーに参画横浜港、日本港湾で初、GHG削減促進 _ 海運<コンテナ・物流> _ ニュース _ 海事プレスONLINE 海事プレスURL:https://www.kaijipress.com/ Blue Visbyについて、詳しくは下記の関連記事もご覧ください。 NAPAのデジタル技術を活用し、”Sail Fast, then Wait”(速く航走して、沖待ち)を防ぎ、海運のCO2排出量を削減する新たな協業を推進 デジタル技術活用で船舶CO2削減 丸紅、NAPAらのコンソーシアム参画 データを活用した公正なソリューションで”Sail Fast, then Wait”(速く航走して、沖待ち)を解決し、排出量を削減 船舶到着時間の最適化で排出削減 NAPA、BlueVisby コンソーシアムへの日本政策投資銀行の加盟を歓迎 ~金融機関としては初の加盟~ インタビュー掲載 Blue Visby計画、契約形態なども議論 Blue VisbyがNKのInnovation Endorsement (IE)を取得 バルカーで17%のCO2削減確認 到着時間最適化のBlue Visby 港湾参画でGHG削減積み増しへ NAPA Japan 水谷、Blue Visby推進 […]
Read Article8月 20, 2024
Union Marine Management ServicesがNAPA Voyage OptimizationとNAPA CII Simulator の展開について合意
デジタルインテグレーションに関する新たなパートナーシップにより、55隻のばら積み貨物船の排出量を削減し、コンプライアンスを強化 ヘルシンキとシンガポール、 2024年7月4日 – フィンランドの海事ソフトウェア・プロバイダーであるNAPAと、シンガポールを拠点とする船舶管理会社であるUnion Marine Management Services (UMMS)間で新たな契約が合意され、NAPA Voyage OptimizationとCII SimulatorがUMMSが管理する55隻に展開されます。 NAPA Voyage Optimizationを船上で使用することで、世界中で運航されている25,000から180,000重量トン(DWT) のばら積み貨物船において、温室効果ガス(GHG)排出量を推定平均5~10%削減できる可能性があります。 本契約に基づき、NAPAのVoyage OptimizationとCII Simulatorのシステムは、UMMSの既存の社内船舶管理ウェブポータルIntuitShipに統合され、船主は同プラットフォームから直接アクセスできるようになります。このNAPAの2つのツールが55隻の船舶で使用されることについて、個々の船主とは既に正式な契約が成立しています。 これにより、UMMSが管理する船隊の約20の船主が、NAPA Voyage Optimizationを使用し、船舶の燃料消費量とそれに伴うGHG排出量を削減できるようになります。また、天候や海況に関するリアルタイムのデータを利用し、安全性を確保しつつ、コストと船舶の環境負荷を最小化するための最適な航路と速度プロファイルの提案がなされます。 加えて、NAPA CII Simulatorは船主があらゆる航路、用船期間、または年度末の各船舶のCII ランクを予測し、さまざまな措置が船舶の評価に与える影響をモデル化することを可能にします。これにより、船主は規制が強化される中、船舶のCII を積極的に管理し、目標数値内に維持することができるようになり、更にEU ETSのコストも予測できるようになります。 UMMSのManaging DirectorであるVinay Guptaは、次のように述べています: 「CII、EU ETS、そして間もなく採用されるFuelEU Maritimeといった新しい規制の導入に伴い、船主は燃料消費量と温室効果ガス排出量を即座に削減できるデジタル技術への関心を高めています。このような理由から、当社はNAPAと提携し、 彼らの整備された実績のあるソリューションを当社の既存のプラットフォームに統合し、お客様である船主の脱炭素化への道のりを積極的にサポートします。航路最適化とシュミレーション・ツールによって達成される業務改善は、将来性のある船隊、コンプライアンスの強化、ビジネスの繁栄に不可欠なものです 。」 NAPAのShipping Solutions のExecutive Vice President であるPekka Pakkanenは、次のように述べています: 「船舶から排出される温室効果ガスを削減するため、現実的で実用的、かつ速やかなソリューションを提供できるデジタル化は、脱炭素化の成功には不可欠です。デジタル化により、見識を磨き、船上から陸上にいたるまで、業界のニーズに応える真の統合ソリューションを創り、海運業界における脱炭素化への取り組みの橋渡し役として機能することができます。」 編集者の方々へ Union Marine Management Services (UMMS)について Union Marine Management Services […]
Read Article7月 4, 2024
バルカーで17%のCO2削減確認 到着時間最適化のBlue Visby
日本・東京-2024年5月21日-海事プレス(ニュース-海運<経営・全般>)にて、デジタル技術を活用して船舶の目的地到着時間を最適化することで、船舶の温室効果ガス(GHG)排出削減を目指すブルー・ヴィスビー・コンソーシアムが3月から4月にかけてバルカー2隻で実施したトライアル航海で、平均17.3%の二酸化炭素(CO2)削減効果が確認されたことが掲載されました。ぜひご覧ください。 デジタル技術を活用して船舶の目的地到着時間を最適化することで、船舶の温室効果ガス(GHG)排出削減を目指すブルー・ヴィスビー・コンソーシアムは3月から4月にかけてトライアル航海をバルカー2隻で実施した。14ノットの船速を前提とすると、1隻は28.2%、もう1隻は12.9%、平均17.3%の二酸化炭素(CO2)削減効果が確認された。 昨年のパイロット・プログラムに続いて今回、プロトタイプ・トライアルが行われ、その結果が17日に公表された。今回トライアルで用いられたのは“Gerdt Oldendorff”と“Begonia”のバルカー2隻で、コンソーシアムに参加する穀物生産者協同組合CBHグループの用船の下、同グループの豪州のクウィナナ・グレーン・ターミナルへバラスト航海を実施した。“Gerdt Oldendorff”はトライアルでは12ノットの船速に対して7.9%のCO2削減となったため、船速14ノットとすると28.2%の削減が可能という。ブルー・ヴィスビーのソフトウェア、技術や運航のシステム、利益分配メカニズムなどもテストされた。 今後数カ月のうちにより広範な参加者によるプロトタイプ・トライアルを実施することも計画している。 2022年に発足したブルー・ヴィスビー・コンソーシアムは、船舶の性能や海象、港湾の混雑状況などのデータを統合し、同じ港を目指す船舶群の到着時間の最適化・分散を行うことで、船舶から排出されるGHGの削減を目指している。そのための統合プラットフォーム「Blue Visby Solution」の開発を進めている。コンソーシアムには日本から丸紅、商船三井、日本海事協会(NK)、日本政策投資銀行が参加。NK子会社のNAPAと国際弁護士事務所のスティーブンソン・ハーウッドが共同で運営している。 *海事プレスから転載の許可を得ています。 海事プレス プレスリリース:https://www.kaijipress.com/news/shipping/2024/05/184240/ PDF:バルカーで17%のCO2削減確認到着時間最適化のブルー・ヴィスビー _ 海運<経営・全般> _ ニュース _ 海事プレスONLINE 海事プレスURL:https://www.kaijipress.com/ Blue Visbyについて、詳しくは下記の関連記事もご覧ください。 Blue VisbyがNKのInnovation Endorsement (IE)を取得 NAPAのデジタル技術を活用し、”Sail Fast, then Wait”(速く航走して、沖待ち)を防ぎ、海運のCO2排出量を削減する新たな協業を推進 デジタル技術活用で船舶CO2削減 丸紅、NAPAらのコンソーシアム参画 データを活用した公正なソリューションで”Sail Fast, then Wait”(速く航走して、沖待ち)を解決し、排出量を削減 NAPA、BlueVisby コンソーシアムへの日本政策投資銀行の加盟を歓迎 ~金融機関としては初の加盟~ インタビュー掲載 Blue Visby計画、契約形態なども議論
Read Article5月 23, 2024
飯野海運、NAPA Voyage Optimization(航路最適化システム)の導入を決定
風力推進補助装置(ローターセイル)との組み合わせで更なるコスト削減を実現 日本・東京ー 2024年4月11日ー飯野海運株式会社 (以下、飯野海運)はこの度、海事ソフトウェアとデータサービスのエキスパートであるNAPAと、Norsepower社製の風力推進補助装置(以下、ローターセイル)を搭載した2隻の飯野海運保有の船舶にNAPA Voyage Optimization(以下、本ツール)を導入することで合意しました。本ツールのウェザー・ルーティング(*¹)機能を活用することで、ローターセイルによる燃料消費削減の効果を最大化し、温室効果ガス(Green House Gas:GHG)の排出を最小限に抑えることができます。 本ツールは、飯野海運保有のVLGC(Very Large Gas Carrier)1隻と石炭専用船1隻に導入を予定しています。ローターセイルによる運航効率の向上およびGHG排出削減の効果を最大限発揮するため、本ツールは今年の第2四半期から高度なシミュレーション、評価、および航路・運航速度の最適化ツールとして活用され、様々な気象・海象条件の下であらゆる航路におけるパフォーマンスを包括的に比較できるようになります。 ローターセイルの搭載だけでも両船はそれぞれ約3~4%の燃料消費量とCO₂排出量の削減が見込まれていますが、NAPAとのコラボレーションにより、運航上の意思決定に役立てるために航海の最適化支援を活用し、また、高度なウェザー・ルーティング機能とローターセイルを組み合わせることで、CO₂排出量の削減率をさらに3〜10%引き上げることを目指しています。 飯野海運は、2023年5月に発表した中期経営計画 “The Adventure to Our Sustainable Future “においてテーマに掲げるカーボンニュートラルへの挑戦に取り組んでいます。具体的なコスト削減を図り、デジタル技術を駆使して航路を最適化することで投資利益率を最大化し、さらなる脱炭素化への取組みや設計・運航の革新を推進していきます。 <飯野海運 取締役 専務執行役員 小薗江隆一 コメント> 「NAPA社のデータに関する洞察力と専門知識は、当社の脱炭素化戦略を推進し、投資利益率を最大化する上で非常に貴重なものです。当社の船舶がどのような性能を発揮するか、どれだけの燃料を必要とするか、どれほどの排出量となるかなど、航海が開始する前の段階でシミュレーションできることは、市場のボラティリティが高まり、規制が強化されている今、極めて重要な知見です」 <NAPA Pekka Pakkanen, Executive Vice President for Shipping Solutions コメント> 「脱炭素化に向けて、海運業界全体が協力し、新たな道を開いています。当社が飯野海運の風力推進の可能性を最大限に引き出すための役割を果たせることを誇りに思います。このパートナーシップは、飯野海運の環境に対する意欲的な取組みを推進し、より多くの船主やオペレーターに海運のエネルギー転換加速のための投資を促す上で重要な役割を果たすことになります」 「航海の最適化と風力推進を組み合わせることで、燃料削減を大幅に達成することができます。潜在能力を引き出し、相互連携を強化し、より効率的で環境に優しく、安全な航海海運を実現すべく、データを活用するのです」 (*¹)ウェザー・ルーティング 船舶が航海中に遭遇する気象や海象を予測し、船舶の状態や性能・到着時間などを考慮して、安全性・快適性・燃料消費量・最短航海時間などの項目一つあるいはそれらの組み合わされた評価基準により最適な航路を設定すること。 ***** NAPAについて NAPAは、グローバルな海運業界向けのソフトウェアとデジタルサービスのリーディングプロバイダーであり、データサイエンスを活用して、より安全で、より持続可能で、将来にわたって有効な船舶運航を実現しています。 船舶設計のためのスマートソリューションを提供するために1989年に設立され、現在では同社の顧客が建造する新造船の90%以上に採用されるなど、船舶建造において世界的な基準となっています。現在、同社の専門知識は船舶のライフサイクル全体に及び、船舶設計から船舶の運航安全性と効率に至るまで網羅しています。世界中の商船約3,000隻が同社の安全性と効率性向上のためのソリューションを搭載しており、これには海上での安全管理に積極的に取り組むデジタル船舶復原性システム、新たな運航効率を導き出すための知見を提供するクラウドベースのパフォーマンスモニタリング、そして航海最適化ソリューションが含まれています。 フィンランドに本社を置く同社は、200人の専門家を擁し、日本、韓国、中国、シンガポール、米国、ドイツ、ギリシャ、ルーマニア、インドの拠点を通じ、世界中で事業を展開しています。 詳細は、NAPAウェブサイト(www.napa.fi)をご覧ください。 飯野海運について 飯野海運は 1899 年創業の東京に本社を置く海運会社です。飯野海運グループは、原油、LNG、LPG、石油化学製品、乾貨物などのエネルギー資源およびその関連製品の輸送に特化した船主およびオペレーターとして、全世界で輸送サービスを展開しており、2023年 12 月現在、大型原油タンカー4 […]
Read Article4月 11, 2024
TA-HO Marine Corporation (達和航運)、GHG排出削減とフリート管理の向上を目指してデジタル化に投資
運用プロファイルの最適化で4%の燃料削減を実証、更なるサステナビリティを加速
Read Article2月 2, 2024
AllseasがNAPAと連携:持続可能な航海を追求、厳しい海上環境での効率的な運航を実現
海上エネルギー市場での世界をリードする請負業者が、海事ソフトウェアおよびデータ分析の専門家と連携するとどうなるのでしょうか?温暖な気象下で安全性を確保しつつ、温室効果ガス排出を削減するためのより効率的な航海が実現します。NAPAがどのようにAllseasと連携し、デジタル技術を活用してより環境に優しい運航を実現しているかを詳しく見てみましょう。 Allseasの課題:予測不可能な海域での複雑な運航 Allseasの運航は、オフショアでの持ち上げおよび敷設作業の複雑なタスクに焦点を当てており、正確な実行だけでなく、急激に変化する海洋環境に対する習熟も求められます。焦点は単なる運航に留まらず、気象、海洋状態、および運用効率の制約の下で複雑な設備の提供におよびます。 最適な航路:NAPAのイノヴェーティブなソリューション これらの課題を踏まえ、NAPAは先進的な気象ルーティングソフトウェアであるNAPA Voyage OptimizationをAllseasの10隻の船舶に導入しました。このソフトウェアは、ユーザーから提供される様々なパラメータを考慮に入れた洗練されたアルゴリズムに基づいており、予測を活用して海や気象条件に基づいて最も速く、最も燃料効率の高い航海を計算します。 AllseasのR&Dエンジニア、Jaap Jan van Senden氏は、NAPAのソリューションの効果に満足しています。「成功裏なトライアルの後、AllseasはNAPA Voyage Optimizationソフトウェアを導入しました。このソフトウェアは予測を使用し、ユーザーが提供するパラメータに基づいて最適な航路を計算します。ソフトウェアに船舶が事前にプログラムされ、船舶の燃料使用に基づく継続的な更新が行われるため、設定が簡単で使いやすいのが特長です。これは特に、当社の船舶が標準的でない場合に有益です。」 具体的な進展:燃料および排出物の削減 NAPAのソリューションの導入により、Allseasに具体的なメリットをもたらしました。潮流を有効活用するだけでなく、特にデリック構造に対抗する可能性のある向かい風を効果的に回避しています。 その結果、1航海あたりの平均燃料削減率は2-5%となり、これはAllseasが環境への影響を最小限に抑えるというコミットメントにおいて重要な前進です。運用効率を最適化することで、Allseasは自社の運用およびサプライチェーン全体での排出物を減少させています。 目的地と同じくらい航海が重要な世界において、NAPAとAllseasは共に旅を始め、次世代デジタル技術を活用して、運用の炭素排出量を削減する効率的な航海の道を開拓しています。この協力は、デジタル技術が単なる運用の向上だけでなく、環境パフォーマンスの向上にも寄与するという考えを強化しています。海事分野で脱炭素の旅に乗り出す企業にとって、NAPAは安心できるパートナーとして共に安全で持続可能な航路を描く用意があります。 NAPAの最高水準の海事技術が貴社のビジネスにどれほど貢献できるか、ぜひご確認ください!
Read Article12月 14, 2023
EU ETSの既知と未知を航海する
あと100日足らずで、欧州発着または欧州域内を航行する商船にとって大きな変化が起こります。EU域内排出量取引制度(EU ETS)の海運への拡大により、海運業界は初めて温室効果ガス排出量の支払いを義務付けられることになります。この新時代に参入することは容易なことではありませんが、適切なデータがあれば、海運は先手を打つことができます。
Read Article10月 30, 2023