Tag: FEM
NAPA Release 2024.2
2024年のNAPA Release第2弾が発表されました! NAPA Release 2024.2 が公開されました!本ソフトウェアの新機能、アップデートおよび変更点は、NAPAnet で入手可能な NAPA リリースノート 2024.2 に記載されています。 新しいリリースのハイライトは以下の通りです: 3D船舶モデル設計の強化 ユーザーインターフェイスを一新し、シンプルになった塗装面積ツール より簡単でスマートな3D構造設計 データベース管理におけるユーザー主導の改善 3D船舶モデル設計の強化 NAPA Designer 2024.2では、船体形状、3Dモデル、区画モデリングの機能が強化されました。従来のモデリングツールの改良に加え、新しい機能やツールの追加や関連データへのアクセス性向上が図られています。 船型形状の変換機能では、これまでの線形および非線形変換に加え、新たに区分線形変換(piece-wise linear transformation)をサポート。これにより、より柔軟な形状調整が可能となりました。 また、NAPA DesignerではCFD結果を直接可視化できるようになりました。中立的なCGNS(CFD General Notation System)ファイル形式を利用してCFD結果を取り込み、船体表面上に表示することができます。この機能は現在も開発中であり、現在はアルファ版としてご利用いただけます。 さらに、3D区画配置のチェックツールが追加されました。区画の重複チェックツールにより、設計の初期段階での誤りを発見しやすくなり、後工程での計算エラーを回避することができます。また、タンクと外板との距離を可視化する機能を活用することで、タンクの配置が適正な距離を確保できているかを確認することができます。 塗装面積計算ツール のリニューアル NAPA Designerでは、設計初期段階から塗装面積計算を簡素化することができます。NAPA Designerでは、区画、 構造、ブロックを含むNAPAの統合3D船舶モデルを活用した新しい塗装面積計算ツールが利用できるようになりました。改良されたユーザーインターフェースにより、このツールは正確な塗装面積を、より迅速に見積もることができます。 3D構造設計 このリリースでは、ユーザーからのフィードバックに基づく様々な新機能と改良が導入されています。新しい対話型のパラメトリックカーブツールは、複雑な構造部材の形状をより簡単かつ柔軟に設計できるようにするとともに、将来のプロジェクトでの3Dモデルデータの再利用性を確保します。 さらに NAPA Viewer は、3D モデルを直接使用した効率的な設計レビューとコラボレーションのためのソリューショ ンを提供します。新たに導入された3Dベースの修正管理と比較機能により、造船会社は従来の2D図面への依存度を低減し、より効率的な図面を使わない設計プロセスへの道を開くことができます。 データベース管理の改善 複数ユーザーによる分散設計ワークフローを円滑化するために不可欠なNAPAのサーバーデータベース(ServerDB)は、よりシンプルで強固なものになりました。新しい内部キャッシュシステムの導入により、ローカルPCへのServerDBの個別インストールは不要になります。 さらに、新しい設定オプションにより、個々のプロジェクトデータベースのアクセス制御、暗号化同期、レプリカセットによる冗長性向上、データ圧縮によるネットワークパフォーマンスの向上など、重要な機能強化がもたらされます。 これらの最新技術のメリットを体験してください!
Read Article2月 3, 2025
NAPA Release 2024.1
2024年の最初のNAPAがリリースされました! NAPA Release 2024.1 が公開されました!ソフトウェアの新しい機能、アップデート内容、および修正点は、NAPAリリースノート2024.1のドキュメントに記載されており、インストールパッケージとともにNAPAnetでダウンロードして頂けます。 最新リリース版のハイライトは以下の通りです。 船型設計プロセスの効率化 積付条件による設計変更への迅速な対応 初期設計ツールのパワーと柔軟性を、詳細構造設計に導入 強度評価と3D承認のための一貫したエンジニアリング体験 船型設計プロセスの効率化 NAPA Designerは船型設計プロセスを容易に開始できるよう、NAPAプロジェクトデータベースに含まれる既存の船型データを利用した船型変換ができるようになりました。双方向3Dユーザーインターフェースの船型変換機能は、設計とモデリングのプロセスをスピードアップします。 今回の最初のバージョンは、主要寸法、排水量、縦方向の浮上状態を含む線形変換をサポートしています。 新しい船型サーフェスのバックアップ・復元機能により、船型サーフェスの変更を安心してお試しいただけます。変形前の船型サーフェスを復元することも可能です。 設計変更への迅速な対応 NAPA Designerの積付計算ツールセットにユーザー様からご要望の多かった機能がいくつか追加され、主な結果を確認しつつ設計変更に迅速に対応することが容易になりました。現在、浮上状態、復原性、縦強度を示す拡張コンプライアンスインジケーターが利用可能であり、規則の遵守と積付計算の実現可能性を素早く把握することができます。バランシング機能により、例えば、浮上状態を修正することができるなど、1つまたは複数の積付計算を一度に調整することができます。 リアルタイムの結果表示パネルはカスタマイズ可能になり、浮上状態、復原性、重量など、すべての基準値をサポートできるようになりました。 初期構造設計から詳細構造設計まで NAPAは設計変更をより効率的に処理し、詳細な構造モデルをより速く作成するため、いくつかのお客様からのニーズに対応しました。 多くの便利な機能がユーザー様からのフィードバックに基づいて開発されました。これら機能には以下のようなものがあります。 オブジェクト定義の安定したリファレンス処理 効率的に浸水範囲をコントロールするために主要なオブジェクトを組み合わせる 視覚的UXの改善 形状変更可能なスティフナー、改良された円弧形状モデリング、ブラケット用の様々なコーナーノッチなど、いくつかの詳細設計機能 これらの機能強化は、初期構造設計から詳細構造設計に至るまで、柔軟性のある高性能なツールを提供します。 強度評価と3D承認 NAPAは、3D設計、強度評価、3D船級承認のための統合プラットフォームを提供することで、構造設計の最適化を実現します。 NAPA2024.1のリリースでは、有限要素メッシュ(FEM)の大幅な性能向上や、ABS、CCS、ClassNKソフトウェアとのインターフェイス機能の強化など、構造解析プロセスをさらに合理化するための改良が幅広く加えられています。 3D船級承認の主要機能であるOCXインターフェース(インポート/エクスポート)は、OCXスキーマバージョン3.0.0に対応しました。また、詳細パーツの修正や機器の視覚化のための外部CAD参照など、新たな改良が加えられています。これらの機能強化により、船級協会の承認担当者による効率的な設計審査をサポートします。 真の3D承認を得るためには、造船会社における図面ベースの意思疎通を置き換えることが不可欠です。NAPA Viewerはこれをサポートすることを目指しています。オブジェクトのパラメータや 材質の側面を視覚化する新機能は、造船会社内の関係者間での設計意図の共有に役立ちます。 NAPAによる3D船級承認の最新情報については、NAPAnet(ログインが必要です)で公開中のNAPA User Meeting 2024の講演資料をご覧ください。 お読みいただきありがとうございました!
Read Article6月 18, 2024
効率を追求:VARDが10週間で実現した3D船舶設計
VARD Design & Engineering社のチームは大きな課題に直面しました:彼らは典型的な構造設計時間を3分の1に削減し、契約締結から船級承認 までを10週間で終えることができるでしょうか? NAPAの3Dベースのツールを駆使して、賢く、創造的に、そして協調的に働くことで彼らはこの難局を打開しました。彼らがどの様に速度と精度を両立させて大成功に導いたかをここで紹介します。 造船業界は変化の最中にあります。よりクリーンで安全であることを求める規則強化により、船舶の設計はしばしば急進的な革新を強いられます。納期も短縮され、その結果、設計者はより多くのことをより少ない時間で行わなければならなくなっています。 この様な状況により、伝統的な直線的な設計プロセスでは対応が難しくなり、より早い段階で設計を確定させることが必要になっています。そして、デジタル3D環境上のモデルという「信頼できる唯一の情報源」にアクセスでき、様々な分野の検討を同時に行うことを可能にする新世代の設計ツールが要求されるようになりました。 NAPAは、構造設計を含む一連のツールを先駆的に業界に提供してきました。これらのツールがどのように構造設計プロセスを変革し、加速させることができるかは、 VARD Design & Engineering社のチームが10週間で船級承認までを完遂させた事例によって示されます。これは通常のプロセスから4週間から6週間も短い期間です。 分散型および協調型エンジニアリング VARD社は難局を好機に変えました。同社は、オフショア再生可能エネルギー分野向けに4 19シリーズの設計をベースにした風力推進船を提供するビジネスチャンスがありました。しかし、同社の造船所の建造スロットで利用可能なものは、船級承認までを完遂させるための時間を考えると理想的とは言えませんでした。同スロットで建造するためには、通常の14-16週間から10週間に設計期間を短縮する必要があったのです。この様な期間短縮を実現するためには、設計チームと船級協会の双方の創造的な思考と協力が必要で、このようなニーズが協調型の効率的なプロセスを実現する不可欠な基盤になりました。 VARD社の主要なエンジニアリングオフィスはノルウェーのÅlesundにあり、11カ国に合計22の拠点を持っています。拠点と専門部門が地理的に広範に分散しているため、VARD社は分散エンジニアリングモデルを運用し、特に時間的制約が厳しい場合には機敏に対応できるようにしています。例えば、10週間で風力推進船を提供するために、クロアチアの設計オフィスのエンジニアがÅlesundに飛んで一連のタスクを完了させるのと並行して、ルーマニアのTulceaのエンジニアリングオフィスのスタッフがモデリング作業を行いました。 デジタルツールの中心的役割 NAPAの構造設計ソリューションは、初期段階から、事前調整に必要な構造細部を含む3Dモデルを容易に作成できます。機械部門と配管部門の担当者は並行して作業を行うことができ、必要に応じて船の構造は随時変更されます。 「私たちはNAPAという3Dツールを用いることによって、船を大きな視点からでも詳細レベルからでも見ることができます。それにより、私たちはÅlesundにいながら状況をよく把握でき、現場の造船所で問題が発生する前に見つけることができます。」— Lina Austigard、VARD Design & Engineering社のシニアエンジニア Austigard氏は、時間のプレッシャーが高まる中で、詳細設計を早期に開始できることが重要な利点であると強調しています。 NAPAはその様な設計の早期開始を実現できます。2Dでは必ずしも捉えられない欠陥、例えば、整合性が取れていない箇所や、現実にはありえないような区画などを見つけることができます。 個別要望を把握する 船級承認の所要時間である典型的な14-16週間の場合でも、詳細な作業を行うために設計チームと造船所とのコミュニケーションは多く必要となります。実際の建造船の開発にはさらに多くの時間が必要で、姉妹船であっても大きな差異があることがあります。 同じ市場向けであっても、異なるクライアントからは異なる要求を受けることがあります。例えば、風力推進船は通常、大きなと少なくとも一つの大きなクレーンが装備されますが、クライアントごとにギャングウェイの種類、使用方法、クレーンや他の機器の数についてこだわりがあります。また、宿泊施設に関しても、何人が船上で生活し、どのような居住水準とするのか、という点でも異なる要件があるかもしれません。 「新しいタイプの燃料への対応を志向するクライアントがますます多くなっています。私たちは、将来的に新しい燃料への改装を可能とする“新燃料対応準備済み”船を建造しています。」とAustigard氏は言います。 NAPAとのパートナーシップ NAPAチームとの密接な関係も、重要な成功要因の一つです。特に、NAPA Steelの導入後の最初の数ヶ月間には、トレーニングビデオやスクリプトの提供を含む適切なタイミングのサポートのおかげで、VARD社は課題を解決するために必要なスキルと自信を早期に得ることができました。新設計の品質と性能を保証する必要がある中、NAPAとのこのような関係が時間短縮の取り組み強化の中心的な役割を果たしています。
Read Article2月 28, 2024
KYMA社: 3Dモデルが引き起こすヨットデザインの革新
ヨットデザインの世界は、常に革新が求められています。進化する顧客の要求は、船舶設計者や構造エンジニアに対して、創造性の限界を押し広げるように促しながら、安全性とスムーズで効率的な設計プロセスを確保することを求めています。ここでは、NAPAツールを使用して、KYMA社が最新の3D船舶設計を活用し、どのようにこの難題を好機として取り組んだかについてお伝えします。
Read Article1月 28, 2024