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Tag: NAPA Steel

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川崎重工業 – 斬新な大型液化水素運搬船で船舶設計の限界を押し広げる

このプロジェクトは、大型液化水素(LH2)運搬船というコンセプトの大きさだけでなく、川崎重工業の技術者や船舶設計者のチームにとって、まったく新しい船型設計を実現するという技術的な達成を意味する、あらゆる面において大規模なものでした。この画期的なコンセプトを実現するために、NAPAツールでどのように設計上の課題を克服したかをご紹介します。 日本の神戸と坂出に造船所を持つ川崎重工業(KHI)の造船部門は、LPGやLNG運搬船、VLCC船、潜水艦などの高価値船を専門としています。同社は、2019年に就航した世界初の液化水素運搬船「すいそふろんてぃあ」の建造で注目を集めました。 脱炭素経済の進展に伴い、水素(およびそれを輸送する船舶)の需要が高まる中、川崎重工は16万m3の水素を液化した状態で輸送できる大型LH2運搬船コンセプトの開発に着手しました。全長346メートル、4つのタンクを備え、水素燃焼ボイラーと蒸気タービンで推進します。 斬新な船舶設計への挑戦  このような革新的な船舶をゼロから設計することは、決して簡単なものではありませんでした。「まったく新しいコンセプトを開発する場合、基準となる参考船はありません。」と川崎重工業で商船の船体や貨物タンクの構造設計を担当する吉田隆太氏が語ります。 その結果、技術者や船舶設計者は、船体の鋼材重量や重量配分を推定し、主要寸法を決定するために、従来の船舶設計に頼ることができません。さらに、LH2のタンクや断熱システムなど、数多くの新技術を採用した設計であったため、船体構造や艤装品配置への影響を慎重に考慮しながら開発する必要がありました。 そのため、KHIのチームは包括的な構造研究を主導し、設計プロセスを通じて何度も繰り返しを管理する必要がありました。斬新なコンセプトデザインの課題を克服するためには、設計プロセスを可能な限り合理的かつ効率的にする適切なツールが必要でした。そこで出番となったのがNAPAツールです。 NAPA Steelを使用することで、船舶の重量を迅速かつ正確に見積もることができ、有限要素(FE)モデルを簡単に作成することができました。また、艤装品の仕様変更に応じてモデルを迅速に修正し、構造を検討することができたので非常に助かりました。  - 川崎重工 船舶設計担当 吉田隆太氏 船舶設計プロセスの再考  イノベーションを最大限に発揮するために、KHIのチームは従来の船舶設計プロセスの限界を克服する必要がありました。従来、艤装品や詳細な構造設計は、船舶の一般構造が確定した後の設計後期に行われていました。しかし、大型LH2運搬船のようなまったく新しいコンセプトの船では、これらの段階をプロセスのかなり早い段階で行う必要がありました。これは、詳細設計段階で大きな問題が発生し、構造全体の大幅な手直しが必要になるリスクを避けるために不可欠です。 船型、カーゴタンク、艤装システムの開発は、設計の初期段階から着手することが理想です。そこで川崎重工業は、NAPAツールを活用した「先行設計業務」を開発しました。  実際、KHIのチームはNAPAを使って3Dモデルを作成し、最初の開発段階から初期設計、詳細設計の段階まで役立てました。モデルを素早く編集できる利点を生かし、船体構造の設計と艤装品の配置を同時に検討することができ、これらの評価を複数回繰り返して異なるバリエーションを効率的に検証する柔軟性も備えていました。 これにより、設計の初期段階から、まったく新しい技術やシステムの搭載を高い精度で検討し、それに応じて基本構造を更新することが可能になりました。これには、技術者が3Dモデルを迅速かつ容易に修正できるNAPA Steelが役立ちました。「NAPAなしではこの仕事はできませんでした」と吉田氏は強調します。  この「先行設計」アプローチにより、詳細設計段階からの知見を、初期段階からさまざまな設計バリエーションの評価に含めることも可能になりました。これには、工法や工程、縦方向の補強材の配置などの検討が含まれます。 その結果、見えない課題を早い段階で発見することができ、後々の設計のやり直しを防ぐことができました。– 川崎重工業 船舶設計担当 吉田隆太氏 サクセスストーリーの構築 設計プロセスの改善は成功しました:KHIの大型LH2キャリア・コンセプトは2022年4月にClassNKから基本設計承認(AiP)を取得し、初期設計とその安全性が第三者によって検証されました。「NAPAがなければ、早い段階から構造検討を繰り返す設計プロセスを実施することは難しかったでしょう」と吉田氏は付け加えました。 また、NAPAツールによって坂出と神戸の両チームが同じデータベースを共有しながら同時に作業を進めることができ、効率向上にも貢献しました。今後は、船体構造設計だけでなく、カーゴタンクの開発支援にもNAPAツールの活用を広げていきます。具体的には、タンクのパラメトリックモデリング、FEモデル出力、重量推定などを早期に実施します。また、社内のモデルレビューを容易にするためにNAPA Viewerの利用も計画しています。 川崎重工は、エネルギー転換の進展により革新的な船舶への需要が高まる中、事業成功の基盤を構築していきます。「脱炭素社会への移行に伴い、新燃料を動力源とする船舶や新燃料運搬船の開発が既に活発に進められています。このような新しい船舶の開発には、多くの研究・設計要素が複雑に絡み合いますが、NAPAを用いた3Dモデルベースの設計は、このような複雑な問題を解決するのに役立ちます」と吉田氏は締めくくりました。

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Chantiers de l’Atlantique社、デジタルシップヤード機能向上へ構造設計用にNAPAを採用

欧州最大級の造船会社が、3Dベースのワークフロー、革新性、船舶設計の効率性の強化に向けて、船体構造設計の初期設計から生産設計に至るまでの段階でのNAPA導入を決定いたしました ヘルシンキ(フィンランド)およびサン=ナゼール(フランス)2025年3月11日: 欧州最大級の造船会社であるChantiers de l’Atlantiqueは、海事産業向けソフトウェアおよびデジタルサービスの世界的プロバイダーであるNAPAと協力協定を締結し、先進的な3Dソフトウェアおよびデジタルワークフローを共同開発することになりました。今後は、更なる船体構造設計プロセスの効率向上を目指します。 両社は、業界をリードする3D構造設計ツールであるNAPA Steelを活用し、Chantiers de l’Atlantiqueの詳細設計プロセスのデジタル化および改善に取り組みます。また生産設計段階で使用されるソフトウェアとNAPA Steelを統合することで、基本設計から生産設計に至るまでの段階で、技術者や造船設計者のチームが船体構造設計や艤装設計チームと迅速に連携しながら作業できるようになります。この改善により、Chantiers de l’Atlantiqueは設計の複雑化に対応しつつ、効率的で安全かつ革新的な船舶を求める顧客のニーズに応えられるようになります。 このデジタル化に向けた大きな飛躍は、基本設計から生産設計に至るまでの設計プロセスのすべてのニーズには単独のソフトウェアだけでは対応できない、という認識に基づいています。こうした課題に対応するため、Chantiers de l’Atlantiqueは、より実用的な「ベストオブブリード(best-of-breed)」手法を採用しました。これは、特定の機能を果たすために異なるソフトウェアを組み合わせる、という手法です。 本取り組みでは、構造設計、推進システム、電気設計、一般配置設計、重量推定担当の技術者を結集し、複雑な要件と頻繁な変更のために機敏性と精度が求められる造船プロジェクトにおいて、スムーズな連携と最適なパフォーマンスを実現できるようになります。さらに、NAPAの3Dモデルと生産設計用3Dモデルの連携によって、構造設計チームが作成した3Dモデルを艤装設計や生産設計の担当チームがより早い段階で利用できるようになり、今後造船現場での時間短縮と業務効率向上につながります。 この新たな契約は、NAPA Steelの導入によって造船設計のワークフローが効率化され、具体的な時間とコストの削減につながることの確認に成功したパイロットプロジェクトに続くものです。特に詳細設計において、3Dベースの設計ツールと統合ワークフローの導入を強化することで、NAPAは今後もさらなる業務効率化、協業の促進、そして設計品質の向上に貢献していきます。 NAPAとの提携は、Chantiers de l’Atlantiqueの「デジタルシップヤード」戦略における新たなマイルストーンとなりました。フランスのサン=ナゼールに本社を構える同造船会社は、クルーズ客船や軍艦、洋上構造物等の建造を専門としています。 Chantiers de l’Atlantique社 CEOのLaurent Castaing氏は次のように述べています: 「当社は、NAPAとの協力によってより安全でスマートかつ効率的な次世代船舶の建造水準を引き上げることができます。クルーズ客船や軍艦、洋上構造物といった高度な船舶の建造で世界を牽引する当社にとって、より複雑化する設計を管理していくことは極めて重要な課題です。そのためには、船舶の設計から生産のフェーズにわたる効率的で合理化されたワークフローが不可欠です。迅速に対応できるツールとデジタルプロセスの活用がそのワークフローの中核を成しており、当社がさらなるイノベーションを推進し、効率的で将来性のある設計を求めるお客様のニーズにお応えできます。」 NAPA CEO のMikko Kuosaは次のようにコメントしています:「Chantiers de l’Atlantiqueとともに、同社のデジタル・シップヤード構想を新たな高みへ導く取り組みは、我々にとっても非常に刺激的なものでした。3Dベースのデジタルツールとワークフローをより活用するソリューションを共同開発することは、造船設計の未来を切り開き、協業と効率性を新たなレベルへと引き上げる重要な鍵となります。これは、海運業界のエネルギー転換のための革新的な船舶の需要が高まる今日では、これまで以上に重要になっています。デジタル時代は、造船会社にとってイノベーションを生み出す強固な基盤を提供するとともに、生産性を向上させ、持続可能なビジネスを維持するための支えとなります。」   – ENDS –   編集者の皆様 Chantiers de l’Atlantiqueについて Chantiers de l’Atlantiqueは、その専門チームと協力会社のネットワーク、そして一流の建造設備により、クルーズ客船、軍艦、洋上風力発電所向けの変電設備、および船隊向けサービスの設計、統合、試験、ターンキー納品の分野におけるリーディングカンパニーです。同社は未来への挑戦の中核を担っており、今日の環境性能が最も厳しい基準を超える船舶や、エネルギー転換の主要な担い手となる洋上風力発電向けの設備を設計・建造しています。   NAPA について NAPAは、世界の海運業界向けにソフトウェアおよびデジタルサービスを提供するリーディングプロバイダーです。データサイエンスを活用し、安全性の向上、持続可能性の促進、そして未来に適応した海運の実現を支援しています。1989年に船舶設計のスマート・ソリューションを提供する企業として設立され、現在では造船業界の世界的な基準として認知されており、新造船の90%以上がNAPAの顧客によって建造されています。 今日、NAPAの専門知識は船舶のライフサイクル全体にわたり、建造から航海中の安全性や効率性までをカバーしています。世界で3,000隻以上の商船が、NAPAの安全性および効率性に関わるソリューションを採用しています。 フィンランドに本社を置くNAPAは、200名のエキスパートを擁し、日本、韓国、中国、シンガポール、米国、ドイツ、ギリシャ、ルーマニア、インドに拠点を持つグローバル企業として活動しています。 詳しくは www.napa.fi/jaをご覧ください。   Media contact: […]

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日本の船舶設計の新時代を切り開く

昨年秋に神戸で開催されたNAPA User Seminar Japanは、54団体から130名以上の参加者を集め、大盛況のうちに幕を閉じました。NAPA User Seminar Japanは年々規模を拡大し、今回は過去最大の参加者数を記録しました。 これは、革新とコラボレーションに対する市場の需要の高まりを証明するものです。 2002年に日本で初めてNAPA User Seminarを開催して以来、私たちは長い道のりを歩んできました。この業界が集まり続ける理由は何でしょうか?このイベントのコーディネーターであり、Design Solutionsのアシスタントである小林葉子が説明しました。 このセミナーは、お客様と直接お会いしてフィードバックをいただける貴重な機会です。NAPA Japanチームにとって、参加者数の増加はビジネスの成長とNAPAコミュニティの拡大を映し出しています。またこのイベントは、毎年セミナーを成功させるという共通の目標に向け、チームビルディングにも役立っています。 業界がかつてない変化に直面している今、NAPA User Meetingが「Accelerating the Future of Ship Design」というテーマに焦点を当てたのに続くこのテーマは、まさに絶好のタイミングでした。セミナーを通じて、船舶設計の未来は、多様な関係者による協働的なものになることが明らかになりました。 この未来を築くために、私たちは競争の垣根を越えて業界全体をまとめ、参加者が他の専門家と出会い、船舶設計の未来について議論するまたとない機会を提供します。これにより、NAPAとお客様は、最前線からの船舶設計と運航に関する現場からの実践的な洞察から恩恵を受け、競争優位性を獲得できます。セミナーを通じて、一般財団法人 日本海事協会、日本郵船株式会社、浅川造船株式会社、日本シップヤード株式会社、株式会社MTI、 常石造船株式会社、 株式会社名村造船所、三井E&S造船株式会社など、日本の海運業界における先駆的なリーダーたちから、NAPAの活用事例についてお話を聞くことができました。 結果はいかに?セミナーの主な成果をご覧ください。  デジタルトランスフォーメーション:デジタルツインと拡張3Dワークフロー  船舶設計におけるデジタルツイン技術は新しいものではありませんが、日本ではより大きなコラボレーションとイノベーションによって進化しています。設計データ、運用上の洞察、3Dモデルを「信頼できる唯一の情報源」に統合することで、デジタルツインはよりシームレスな業務フローを生み出し、船舶のライフサイクル全体を通して不整合を最小限に抑え、人的資源を最適化します。 設計プロセスの合理化だけでなく、安全なデータ共有も可能になるため、関係者は競争力を維持しながら将来の設計の改良が可能です。User Seminarでは、この可能性に焦点が当てられ、専門家たちが、デジタルツインがいかに船主、設計者、オペレーター間のコラボレーションを強化し、最終的に安全性と燃費効率の両方を向上させることができるかについて議論しました。 このパラダイムシフトは、日本海事協会の 「船舶の設計と運航データの共有による新たな価値創造 –デジタルツインの実現にむけて-」と題されたプレゼンテーションに集約されています。3Dモデルやデジタルツインが、船舶設計者と海運会社間の知識ギャップをどのように埋め、船舶の設計や運航の実態をより実践的に理解することに近づけるかについて掘り下げました。 株式会社商船三井のデジタル・環境スペシャリストである芦田哲郎氏は、シミュレーション、技術革新、燃料最適化のためのデジタルツールの重要性を強調し、「船主の観点から、これは非常に重要なテーマです」と述べました。NAPA Studiosと商船三井、日本海事協会、その他の海事リーダーによるデジタルツインプロジェクトは、造船会社と船主の間で安全なデータ共有フレームワークを構築し、デジタルツインの導入を推進することを目的としています。また、芦田氏は以下のように付け加えました。 燃費効率とグリーンテクノロジーの重要性が高まる中、船舶設計データはこれらの目標をサポートする上で重要な役割を果たすと私は信じています。   日本郵船チームは講演の中で、船主としてどのように3D設計技術を活用して新たなコンセプト開発をコンテナ船の設計に導入しているかを強調し、基本設計段階への影響を訴えました。彼らはまず社内でコンセプトを開発し、その後NAPA Steelの3D図面を活用してコンセプトを共有し、船級承認を取得しました。 日本郵船の講演は最も興味深いものでした。彼らは多目的コンテナ船の3DMBAという難題に挑みました。船主が船の設計に力を入れているのは大きな一歩であり、感銘を受けました。-日本海事協会 デジタルトランスフォーメーションセンター 兼 情報技術部 主管 長俊寿氏 行動するNAPAマルチステークホルダープロセス 本セミナーでは、NAPA Steelのようなツールが、初期設計から詳細設計段階までの3Dモデルの使用と業務フローを支援し、初期段階からのサポートにより造船会社の時間、コスト、リソースの節約に役立つことを紹介しました。実際、これらのツールは、セミナーで目にした協業の精神を体現しており、より正確で迅速な開発に貢献しています。これは、スピードと正確さが大きな違いを生む競争環境において極めて重要です。 セミナーでの議論は、特に複雑な設計要件を管理し、規制基準を満たす上で、これらのツールが造船会社にとっていかに貴重なものになっているかを示しました。 特に初期設計段階でNAPA Steelを使用することにより、船舶設計者は船舶のライフサイクルを通じて使用される3Dモデルを作成することができます(他のCADソフトウェアとの互換性もあります)。これにより、すべてのコミュニケーションが合理化され、効率的な設計変更と迅速な反復が容易になります。さらに、頻繁な有限要素モデル解析を含め、同じモデル内で複数の設計バリエーションの検証が可能です。 NAPA Steelは、中小規模の造船会社においても、船舶設計者にとって標準的かつ不可欠なツールになりつつあります。-NAPA Design Solutions  Key […]

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常石上海の挑戦:NAPAの3D設計で実現する未来

世界的な船舶設計・建造のリーダーである常石(上海)船舶設計有限公司は、NAPAとともに、船舶設計プロセスをアップグレードし、2D設計を含む従来の手法から先進的な3Dモデリング技術へと移行する変革の航海に出ました。しかし、この挑戦は単に新しい技術を採用するだけでなく、船舶設計のアプローチを完全に再定義し、より高い効率性、精度、革新性を大きな規模で達成することでした。 常石(上海)船舶設計有限公司とNAPAの協力関係は、造船業界の特徴である複雑で時間のかかる設計プロセスを合理化するため、テクノロジーを活用するという共通のビジョンによって推し進められてきました。常石上海は、NAPAの高度な3Dモデリング・ソリューションを統合することで、より効率的で安全かつ競争力のある未来の船舶を設計する能力の強化を目指しました。 改善と革新の余地 船舶設計業界は、従来より時間がかかり、ミスが発生しやすいプロセスに陥っていました。設計、承認、建造の各フェーズで2D図面に依存しているため、2Dと3Dの変換を繰り返す必要があるなど、大きな非効率が生じがちです。これは、エラーのリスクを増大させ、設計の反復と承認に必要な時間を長引かせます。常石上海の課題は、こうしたハードルを克服し、設計プロセスを簡素化・迅速化することでした。 常石上海は、設計プロセスを合理化し、設計の精度、シミュレーション、レビュー、承認を向上させるソリューションを必要としていました。3Dモデルの新時代を利用し、「信頼できる唯一の情報源」が速いペースで進むイノベーションの基盤となる必要があったのです。 2Dから3Dへ、新時代へのステップ 業界で要求される規模や革新のペースに後れを取らないよう、NAPAの構造ソリューションである、NAPA Steelの導入は常石上海にとって大きな飛躍の一歩となりました。 「このソフトウェアは、1つの3Dモデルから有限要素(FE)モデルを生成するために使用され、ClassNKのPrimeShip-Hull(PSH)とのシームレスな統合により、手作業が大幅に削減されました。この効率化は、NAPAの自動化機能によってさらに増幅され、コンテナホールドや居住区ブロックの設計を、製図の初期段階でも3Dで迅速に開発することができました。」- 常石上海 船体構造設計グループ マネージャー Feng氏 PSHで船級規則のチェックや計算に3Dモデルを直接使用できるようになったことで、NAPAの技術は2Dと3D間の煩雑な行き来をなくし、設計と船級承認のプロセス全体を合理化しました。また、初期段階から3Dモデルを使用することで、より正確な応力解析や設計段階の早い段階での重要箇所の特定が可能になり、より堅牢で効率的な船舶設計に貢献するとともに、プロジェクトあたり数百時間の工数を削減することができました。 NAPAのソリューションを採用したメリットは多岐にわたりました。常石上海は設計プロセスを大幅にスピードアップできただけでなく、設計の精度と品質も向上させることができました。NAPA Steelの高度なモデリングと解析ツールを活用することで、常石上海は船舶構造の評価をより綿密に行うことができ、より効率的で革新的なだけでなく、最新の安全・性能基準に適合した設計を実現することができました。 ダイナミックなデザインをより速く、より統合的にするための具体的な成果 常石上海のNAPA Steel採用は、同社にとって船舶設計の新たなスタンダードとなり、より統合された設計プロセスのための「信頼できる唯一の情報源」として同じ3Dモデルを使用することの大きな利点を実証しました。 この技術シフトの利点は、時間やコストの節約にとどまりません。より統合されたダイナミックな設計プロセスを促進するNAPAのソリューションにより、常石上海は設計を迅速に反復・改良し、各船舶が最高の性能と持続可能性基準を満たすことを保証できるようになりました。この能力は、環境規制と性能基準がますます厳しくなる時代において特に重要です。 船舶設計者やエンジニアにとって、3Dベースのモデルやワークフローを設計プロセス全体に拡大することは画期的なことであり、これからの多燃料・多技術時代に不可欠な要素です。設計プロセスの早い段階で3Dモデルを取り入れることで、チームは重量見積もり、艤装チェック、構造評価を行うことができ、より早く、より迅速にエラーを定義することができます。その結果、後の設計段階や建造段階において、より明確な意思決定が可能となり、信頼性が高まります。 このような効率性と洞察力により、先進的なシミュレーションと技術革新が可能になり、チームは、船舶の構成、貨物積載量、復原性、さらには将来の性能への影響を総合的に判断しながら、さまざまな燃料や技術の選択肢を評価し、テストすることができます。NAPAの洗練された解析ツールに支えられた初期段階での設計最適化の焦点は、将来さらに競争力のある、環境に優しい船舶設計を生み出すことが期待されています。 常石上海の明日へ 先進的な3Dモデリングと解析技術の採用により、常石上海は設計プロセスを合理化しただけでなく、中国における先進的な設計会社として、革新性と効率性のベンチマークを確立しました。このパートナーシップと設計図改革の成功は、将来の船舶設計を推進する上でテクノロジーが果たす重要な役割を明確にするものであり、業界の他の企業が追随するための指針を提供するものです。 常石上海はNAPAの技術を活用し、さらなる効率向上と性能向上を目指しており、このパートナーシップは、従来の業界の課題を克服するための協力と知識共有の重要性を証明するものです。これらの基盤が整ったことで、よりスマートで安全かつ効率的な未来の船舶の柱は、これまで以上に強固なものとなります。   本件に関するお問い合わせ先:

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世界初の3D図面承認、NKが完了 日本郵船が自前で基本設計、「造船所との共創模索」

日本・東京ー2024年3月29日 ー 海事プレス(ニュース ー 造船・船用)にて、日本郵船がNAPA Steelで作成した3Dモデルを元に、日本海事協会が2次元図面なしで基本設計の承認を完了したことについて掲載されました。ぜひご覧ください。   日本郵船は28日、日本海事協会(NK)から新造多目的コンテナ船の基本設計で3D(3次元)モデルをもとにした図面認証を取得したと発表した。現在は平面(2次元)の設計図面で行われている新造船の船級承認を3D設計モデルで行う試みは各国で研究などが進んでいるが、外航の新造船で世界初。さらに、通常は造船所が行う新造船の基本設計を今回は日本郵船が自前で行った点が特徴で、「造船所の設計負荷が増加している中、これまで造船所に手渡していた部分も海運会社が並走し、造船所との新たな『共創』の在り方を探った」(中村利執行役員)。日本の海事産業の活性化を目的に、設計プロセスの効率化の核となる構造設計の3D化に先鞭をつけるとともに、造船所の設計負荷低減のための新たな新造船プロジェクトの在り方も模索した格好だ。 新造船の図面承認の3次元化は、近年の造船デジタル化での重要テーマの1つになっている。従来の二次元の図面は、船舶の複雑な構造を平面上に表現しているため、正確に読み取るためには長年の経験と高度な専門知識が必要。これに対して3Dのモデルであれば、設計担当者や海運会社など関係者が直感的に理解できるため、3D設計が徐々に普及しつつある。だが、3DCADシステムが会社や船種によって異なるため、船級協会に承認を申請する際には共通フォーマットの2次元図面にいったん変換する必要があり、さらに船級協会も受け取った2次元図面を3Dモデルに置き換えて評価システムで確認する必要があるなど、データ入力とモデル修正で双方に時間とコストが発生することが課題だった。このため各船級協会や造船所、海運会社が、3Dモデルのままで図面承認を行う検討を進めており、NKもこれまで日本郵船や国内造船所と協力して検討を進めていた。 今回は日本郵船が、船舶構造設計ツール「NAPA Steel」を用いて作成したコンテナ船の3D設計モデルのデータを、NKが船体構造設計支援システム「PrimeShip-HULL」上の連携システムを活用して、2次元図面に変換せずに基本設計段階の全ての図面承認を完了した。基本設計から船級承認まで3D図面で完了したのは外航船では世界初。「3Dと2Dが混在している現在の承認プロセスが、設計から承認に至るまで1つの3Dモデルで行えるようになることで、後戻りやミスもなくなり、品質向上や工数削減にも貢献できる」(NKの松永昌樹技術本部長)。NKとしては3Dによる図面承認の体制を整え、今後は造船所の利用の要望に応えていく方針だ。 また今回は、日本郵船が新造船のコンセプト開発だけでなく、造船所の所掌範囲である基本設計の段階まで実施したことが大きな特徴となる。背景には、船舶燃料の転換や船舶のニーズ多様化により、海運会社が多様な船を検討する必要性がある一方、造船所の設計負荷が増加していることがある。「造船所との『共創』の可能性を模索する必要性を感じており、例えば造船所の状況に応じて新規事業のフィージビリティスタディ段階のコンセプト開発程度は船社が自前で行うなど、造船所と柔軟に『双方よし』の関係を築く手段になるのではと考えている」(中村執行役員)。今回は、造船所と設計引き継ぎのポイントとして、「どこまで進めるのが心地よいかを検証する」ために、自前で基本設計まで実施した。 図面承認の対象となったのは、東アジアと南太平洋の島しょ国の間を航行する2万2000総トン型の多目的コンテナ船「アイランダー船」。船体後方にカーデッキ、前方にコンテナ用ホールドを配置した特殊船型で、就航中の4隻のうち2隻が船齢20年を超えており代替建造を検討している。今回の設計をもとに、国内造船所と具体的な新造船商談を進めている。 3D設計への転換は、海事産業のDXで中心的なテーマだ。「3Dモデルには2次元図面より多くの情報が含まれ、より詳細でスムーズなコミュニケーションが可能。早い段階から造船所の3D設計にわれわれ船社が関与することで、設計工数が低減できる可能性がある」(山本泰工務グループ長)。設計の初期段階から3Dモデルを活用してより多くの情報を作り込むフロントローディング手法への展開や、東京大学MODE講座が研究を進めるモデルベース開発の手法、就航後の船舶での運航支援や保守への適用など、日本郵船も船舶のライフサイクルでの3Dモデルの活用策を検討する。 *海事プレスから転載の許可を得ています。 海事プレス プレスリリース:https://www.kaijipress.com/news/shipbuilding/2024/03/183016/ PDF:世界初の3D図面承認、NKが完了日本郵船が自前で基本設計、「造船所との共創模索」 _ 造船・舶用 _ ニュース _ 海事プレスONLINE 海事プレスURL :https://www.kaijipress.com/    

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効率を追求:VARDが10週間で実現した3D船舶設計

VARD Design & Engineering社のチームは大きな課題に直面しました:彼らは典型的な構造設計時間を3分の1に削減し、契約締結から船級承認 までを10週間で終えることができるでしょうか? NAPAの3Dベースのツールを駆使して、賢く、創造的に、そして協調的に働くことで彼らはこの難局を打開しました。彼らがどの様に速度と精度を両立させて大成功に導いたかをここで紹介します。 造船業界は変化の最中にあります。よりクリーンで安全であることを求める規則強化により、船舶の設計はしばしば急進的な革新を強いられます。納期も短縮され、その結果、設計者はより多くのことをより少ない時間で行わなければならなくなっています。 この様な状況により、伝統的な直線的な設計プロセスでは対応が難しくなり、より早い段階で設計を確定させることが必要になっています。そして、デジタル3D環境上のモデルという「信頼できる唯一の情報源」にアクセスでき、様々な分野の検討を同時に行うことを可能にする新世代の設計ツールが要求されるようになりました。 NAPAは、構造設計を含む一連のツールを先駆的に業界に提供してきました。これらのツールがどのように構造設計プロセスを変革し、加速させることができるかは、 VARD Design & Engineering社のチームが10週間で船級承認までを完遂させた事例によって示されます。これは通常のプロセスから4週間から6週間も短い期間です。 分散型および協調型エンジニアリング VARD社は難局を好機に変えました。同社は、オフショア再生可能エネルギー分野向けに4 19シリーズの設計をベースにした風力推進船を提供するビジネスチャンスがありました。しかし、同社の造船所の建造スロットで利用可能なものは、船級承認までを完遂させるための時間を考えると理想的とは言えませんでした。同スロットで建造するためには、通常の14-16週間から10週間に設計期間を短縮する必要があったのです。この様な期間短縮を実現するためには、設計チームと船級協会の双方の創造的な思考と協力が必要で、このようなニーズが協調型の効率的なプロセスを実現する不可欠な基盤になりました。 VARD社の主要なエンジニアリングオフィスはノルウェーのÅlesundにあり、11カ国に合計22の拠点を持っています。拠点と専門部門が地理的に広範に分散しているため、VARD社は分散エンジニアリングモデルを運用し、特に時間的制約が厳しい場合には機敏に対応できるようにしています。例えば、10週間で風力推進船を提供するために、クロアチアの設計オフィスのエンジニアがÅlesundに飛んで一連のタスクを完了させるのと並行して、ルーマニアのTulceaのエンジニアリングオフィスのスタッフがモデリング作業を行いました。 デジタルツールの中心的役割 NAPAの構造設計ソリューションは、初期段階から、事前調整に必要な構造細部を含む3Dモデルを容易に作成できます。機械部門と配管部門の担当者は並行して作業を行うことができ、必要に応じて船の構造は随時変更されます。 「私たちはNAPAという3Dツールを用いることによって、船を大きな視点からでも詳細レベルからでも見ることができます。それにより、私たちはÅlesundにいながら状況をよく把握でき、現場の造船所で問題が発生する前に見つけることができます。」— Lina Austigard、VARD Design & Engineering社のシニアエンジニア   Austigard氏は、時間のプレッシャーが高まる中で、詳細設計を早期に開始できることが重要な利点であると強調しています。 NAPAはその様な設計の早期開始を実現できます。2Dでは必ずしも捉えられない欠陥、例えば、整合性が取れていない箇所や、現実にはありえないような区画などを見つけることができます。 個別要望を把握する 船級承認の所要時間である典型的な14-16週間の場合でも、詳細な作業を行うために設計チームと造船所とのコミュニケーションは多く必要となります。実際の建造船の開発にはさらに多くの時間が必要で、姉妹船であっても大きな差異があることがあります。 同じ市場向けであっても、異なるクライアントからは異なる要求を受けることがあります。例えば、風力推進船は通常、大きなと少なくとも一つの大きなクレーンが装備されますが、クライアントごとにギャングウェイの種類、使用方法、クレーンや他の機器の数についてこだわりがあります。また、宿泊施設に関しても、何人が船上で生活し、どのような居住水準とするのか、という点でも異なる要件があるかもしれません。 「新しいタイプの燃料への対応を志向するクライアントがますます多くなっています。私たちは、将来的に新しい燃料への改装を可能とする“新燃料対応準備済み”船を建造しています。」とAustigard氏は言います。 NAPAとのパートナーシップ NAPAチームとの密接な関係も、重要な成功要因の一つです。特に、NAPA Steelの導入後の最初の数ヶ月間には、トレーニングビデオやスクリプトの提供を含む適切なタイミングのサポートのおかげで、VARD社は課題を解決するために必要なスキルと自信を早期に得ることができました。新設計の品質と性能を保証する必要がある中、NAPAとのこのような関係が時間短縮の取り組み強化の中心的な役割を果たしています。

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KYMA社: 3Dモデルが引き起こすヨットデザインの革新

ヨットデザインの世界は、常に革新が求められています。進化する顧客の要求は、船舶設計者や構造エンジニアに対して、創造性の限界を押し広げるように促しながら、安全性とスムーズで効率的な設計プロセスを確保することを求めています。ここでは、NAPAツールを使用して、KYMA社が最新の3D船舶設計を活用し、どのようにこの難題を好機として取り組んだかについてお伝えします。  

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代替燃料の未来をモデル化するには

あなたの船が将来どのような代替燃料を使用するのか知りたいですか?あなただけではありません。新しいエネルギー源が世界の船舶に登場するにつれて、船舶業界は確実性を求めています。しかし、占いに頼る必要はありません – 代わりに、シミュレーションツールを使用することで、新しい船の設計、運用、コストについて何を期待するべきかを明らかにすることができます。試す準備はできていますか?ここではその方法を説明します。 船舶業界の代替燃料と革新的な船舶設計への関心は否定できません。現在、代替燃料を使用できる船舶は、世界の船のごく一部 – 総トン数で約6.52% – を占めていますが、その数は急速に増えることが予想されます。2023年の世界のオーダーブックの約半分は、メタノール、LPG、LNG、またはバッテリーを含む代替燃料または動力システムを使用する船舶のためのものでした。これは、前年の3分の1に比べて増加しています(DNVの分析による)。  この代替燃料への需要の増加は、大部分が単純な計算によるものです:エネルギー効率の良い船舶を持つことは商業的に利益をもたらします。すでに、現代のエネルギー効率の良い船舶は、古い船舶よりも優れたチャーター料金を得る傾向があり、プレミアムは1日あたり数千ドルに達し、特定の船舶タイプではさらに高くなります。 ビジネスケースは、燃料効率だけでなく、大幅な温室効果ガス排出削減を目指すことで、今後も成長を続けるでしょう。最近、欧州域内排出量取引制度(EU ETS)が船舶に拡大されたことで、船舶は現在、その船舶自体のCO2排出量に対して金銭的負担が求められており、炭素に直接的な価格を設定しています。これには、IMOのCII規制が追加され、これは船舶の競争力とビジネスの見通しをその運用効率に結びつけることを目指しています。今後、評価の低い船舶はビジネスや資金調達を確保するのに苦労する可能性がありますが、トップ評価の船舶は競争優位を持つ可能性があります。   リスクと機会のバランス  その結果、代替燃料の使用を先駆けて行う船舶所有者には、大きな潜在的な利益があります。しかし、この戦略はリスクを伴います。新しい燃料への移行は、船舶の安全性、復原性、構成に大きな影響を及ぼし、新しい貯蔵タンクの統合を必要とします。これにより、貨物容量が減少し、したがって商業的な利益性に影響を与える可能性があります。それを正しく行うことは重要ですが、どのようにすればよいのでしょうか? 答えの一部は、私たちが既に手元にあるツールをどのように使用し、組み合わせるかについて創造的に考えることにあります。ここでは、運航シミュレーション機能と3Dツールを船舶設計に一緒に使用することで、多くの洞察を得ることができます。   運航データが船舶設計に新たな洞察をもたらす方法   これはすでに現実のものであり、船舶設計者や技術者は、運航シミュレーションモデルを使用して、未来の船舶が航行するルートの天候や海の状況の範囲について詳細な画像を得ることができます。  この分析は、風速と風向、波高とうねり、および流速と流向に関する過去のデータによって支えられています。そこから、NAPA Designerで作成された3Dモデルを使用して、直接強度分析と荷重評価を行うことができ、未来の船体へのストレスを現実的な方法でシミュレーションを行い、それに応じて設計を調整するのに役立ちます。     このデータ駆動型の天候と海洋状況の画像は、特定の船舶に対して風力推進システムが実際に達成可能な排出削減をシミュレートするためにも使用できます。これにより、船舶所有者は、これらのシステムへの投資を行う前に、より確実性を得ることができます。 多燃料時代に入るにつれて、運航シミュレーションは、未来の船舶が航行する速度の範囲や未来の燃料消費量についての貴重な洞察をもたらすこともできます。これにより、必要なエンジンの最適な出力を決定するだけでなく、船舶に必要な燃料タンクのサイズ決定にも役立ちます。アンモニア、水素、メタノールなどの未来の燃料は、化石燃料に比べてエネルギー密度が低いため、この評価を正しく行うことは、貨物スペースの損失を最小限に抑えるために重要です。       最善の決定を下すためのオプションの比較  運航シミュレーションから得られた洞察とデジタルツインを組み合わせることで、様々な設計バリエーションをテストし、それらが現実の世界でどのように動作するかのモデル化が可能になります。例えば、3Dモデルを使用して、代替燃料を使用する船舶の色々な構成を比較し、船舶の未来の性能、燃料消費、GHG排出、復原性パラメータ、および流体力学的プロファイルに及ぼす影響を計算することができます。 このような形状やプロファイルを簡単にテストする能力は、船舶設計者や技術者が、新しいシステム(例えばバッテリーや追加のタンク)を船舶のどこに設置すべきかを評価することに役立ちます。これには、必要な総容量だけでなく、安全を確保するためにそれらを設置する必要がある場所も考慮に入れます。 これらのシミュレーションは、初期設計段階から行うことができ、設計が進行し詳細が確定するにつれて結果の精度は向上します。具体的には、チームはプロセス全体で異なるオプションを試すことができ、設計が初期段階から構造的で詳細な段階に進むにつれて行わなければならない複数の決定をサポートします。言い換えれば、シミュレーションツールは「推測作業」を排除し、データと証拠に基づいた決定を後押しします。     排出量とコストの見積もり – 数百万ドルの問題 船舶所有者にとって、これは重要です。なぜなら、彼らは初期設計段階から、LNGやメタノールなどの異なる燃料オプションが現実の世界でどのように見えるか、またそれらが貨物容量と予測される燃料消費にどのような影響を及ぼすかについて、より良い理解を得ることができるからです。船舶の設計が形になるにつれて、シミュレーションツールはその未来のGHG排出量をモデル化し、これが環境規制の遵守にどのように影響するかを示すことができます。   最終的には、これらの推定排出量を使用して、燃料自体の購入と異なる燃料オプションの排出許可の関連コストを予測することが目指されます。シミュレーションは、例えばEU ETSの下で設計がコスト競争力を持つようになるタイミングを示すことができ、これは大きな商業的価値をもたらし、新しい燃料と船舶設計の選択を最初から助けることになります。    私たちは未来を予測することはできませんが、データに基づいてそれをモデル化することはできます – 革新的な船舶設計のために、それはすでに大きな変化をもたらしています。 

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NAPA Steel合同基礎トレーニング

■対象 NAPA Steel未経験の方 NAPA Steel既存ユーザーの方で、NAPA Designer/NAPA Draftingによる操作方法を学ばれたい方 NAPA Designer/NAPA Draftingを用いた効果的なNAPA Steelの運用方法を検討されたい方 ■概要 NAPAシステムの基礎からNAPA Steelによるモデリング及びデータ出力基礎の習得を目的としたトレーニングコースです。 NAPA Designerを用いて板部材から骨・ブラケットなどの構造部材のモデリングした後、そのモデルから各種情報の取得やFEMモデルの作成、NAPA Draftingによる図面作成などを行います。 トレーニング4日目は、新しくなったNAPA Steelをより効果的に運用いただくため、各種ライブラリのカスタマイズの説明(一部は概要のみ)やNAPAマクロを用いた簡単なモデリング自動化の紹介を致します。 ■開催日 2025年 夏頃(4日間) 1~4日目                 :9:30~17:00 (全日程 昼休憩 12:00~13:00) ■内容 【Day 1】 NAPA Steelの概要、NAPA Designerの基本操作、板部材のモデリング 【Day 2】 板部材のモデリング(続き)、構造部材のモデリング 【Day 3】 出力機能基礎 ① (NAPA Draftingによる図面作成、物量出力、ブロック分割) 【Day 4】 出力機能基礎 ②(FEMモデル作成) NAPAマクロを用いたモデリング自動化の基礎 NAPA Steelカスタマイズ基礎(各種ライブラリ等)、Q&A […]

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SDARI、BV、NAPAの共同プロジェクトが3Dモデルベース船級承認の利点を検証

2023年11月20日:世界的な試験、検査、認証のリーダーであるBureau Veritas(BV)、上海船舶設計研究院(SDARI)、そして海事ソフトウェアおよびデータサービスのグローバルプロバイダーであるNAPAは、3Dモデルによる船級承認を可能にする共同開発プロジェクト(JDP)の第一段階を完了しました。 プロジェクトでは、設計者が提供した3Dモデルを直接利用し、複数の変換を必要とする従来の2D図面に基づく従来の船級レビューではなく、3Dモデルに基づく承認(3D MBA)の実現可能性が確認されました。この取組みの目的は、設計プロセスの効率を向上させ、時間とコストを節約すると同時に、造船所、船舶設計者やエンジニア、船主、そして船級協会など、設計に関わるすべての関係者間の精度とコミュニケーションを向上させることです。      

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